GW開けの憂鬱から未だに抜け切れません。ほんと毎度毎度このスパイラルは長引くんです。
そんな憂鬱さの中の数少ない楽しみのひとつ、週刊少年ジャンプの発売日がきたので今週もハンターハンターの 353話 をレビューしたいと思います。
353話 “冷徹”
今回のタイトルは「冷徹」。
前回もそうでしたが作中のヒソカのセリフ(クロロに対する思惑)がタイトルになっているようですね。
前回までにお披露目された、クロロの能力6つを使ったコンボ線が開始されます。前回を読んでいない方はコチラのレビューを参照してみてください。
前回まではクロロの能力説明の描写がヒジョーーーに長く、セリフ中心のコマ割りでしたが今回は一転、バトル描写に徹しています。ヒソカが丁寧にクロロの行動を説明してくれているので、なんの能力をつかっているかが、読んでる側にもわかりやすい(?)かな、と。
戦いのおおまかな流れとして
- (前回)ブラックボイスで2体をヒソカにけしかける
- その隙に観客にまぎれるクロロ
- ヒソカが2体を撃破した後、ブラックボイスのアンテナがなくなっているに気づく
- 周囲にはギャラリーフェイクで量産された観客
- クロロの姿がない
- ギャラリーフェイク&オーダースタンプで複数の人形がヒソカを攻撃
- バンジーガムで上空へ逃げるも人形が積み重なって上空へ追跡
- 人形と反対側からクロロが攻撃
- その後も、人形に紛れて確実に当てられるときだけクロロが攻撃
- 人形が邪魔なので人形の首を狩ることにしたヒソカ
- バンジーガムで切った首をクロロにぶつけようとするヒソカ
- 「ちゃんと視てたよ」とそれをよけるクロロ
- 「知ってる」とそれを見越したようにもうひとつのバンジーガムをクロロにぶつけるヒソカ
こんなかんじかな。
疑問点の考察① クロロの変装
今回の描写で疑問だった点を考察してみます。
クロロの変装
冒頭でギャラリーフェイクの発動を見たヒソカは「ならばコンバートハンズは解除したはず…」と言っています。
観客に紛れる際につかったであろうコンバートハンズを解除しても、クロロの姿が見当たりません。
ヒソカは観客の服を奪った、と言っており実際そのとおりだったようです。
パッと見、クロロなのか別の人物なのかわかりにくいですが、特徴的なイヤリングで本人だと確認できます。
ではどの時点で服を奪ったか。
コンバートハンズは片手でも使用できる能力ですが、ギャラリーフェイクは両手を使うためダブルフェイス併用が必須です。
栞を挟めば、本を閉じて両手を使うギャラリーフェイクが使用できますが、両手はふさがっているのでコンバートハンズのページを開くことももう一個栞をはさむこともできないので、必然的に「コンバートハンズは解除した」という結論に至るわけです。
(ただしギャラリーフェイクを発動させ人形を作ったあとで再度コンバートハンズで潜伏することは可能です)
- ブラックボイス(ダブルフェイス使用)しながらコンバートハンズで客に化ける
- ヒソカがブラックボイスされた観客と対峙
- クロロは観客にまぎれつつ他人の洋服を奪う
- ヒソカがブラックボイスされた観客を撃破
- 1の能力を解除し、ギャラリーフェイク(ダブルフェイス使用)で人形を量産
- ギャラリーフェイクに栞をはさんだまま、オーダースタンプを開いて人形を操作
服を奪って変装する必要があったのはコンバートハンズを使わずに潜伏するため、でしょう。
1〜4までのヒソカがブラックボイスされた客を倒すまでにこの一連の動作が行われたと考えます。
なのでコンバートハンズを使ったのは服を奪うまでに、ヒソカの目に止まらないようにするための、ほんの一瞬だったと考えます。
疑問点の考察② ブラックボイスについて
シャルナークのアンテナが消えている
冒頭でヒソカが抱く疑念点です。
前回ヒソカを攻撃した2人はクロロがブラックボイスで操作した観客です。
ヒソカはこれを瞬殺しますが、その隙にクロロはコンバートハンズで観客に紛れます。
次のシーン(今回の冒頭)で倒した観客にヒソカが目をやると、ささっているはずのシャルナークのアンテナが消えています。
ヒソカは「釣り糸でも結んでおいて引き寄せたか…」と推察していますが、なんて古典的な…!(笑)
なくはないのかもしれないですが、釣り糸をひいたぐらいで抜けてしまうのなら戦いの最中に打撃の衝撃とかで抜けてしまう気がするんですよね。う〜ん…。
人形にアンテナを回収させたなんてことも考えたのですが、前項の4と5の間で既にヒソカはアンテナがないことに気づいているんですよね。
5と6の工程をクロロが猛スピードで行った、ってのはちょっと苦しいですね…。
やっぱり釣り糸か…?
シャルがクロロに差し出したのは…
アンテナの件からハっとさせられましたが、
よくよく考えて見ればシャルの携帯+アンテナは具現化したものではなく、実際の携帯とアンテナなんですよね。
つまり能力と実際のアイテム(携帯+アンテナ)をクロロに渡したことになります。今回までとくに考えもしませんでした。
スキルハンターで物体を媒介にした操作系能力を盗む場合は、能力だけでなくその物体(アイテム)も相手から奪う必要があるということですね…!
旅団の情報部隊であるシャルが携帯を持たない、なんてことは考えづらいので、クロロにブラックボイスを差し出すにあたって、シャルは能力を失うだけでなく、機種変を余儀なくされたわけです←
疑問点の考察③ オーダースタンプと天空闘技場
これもヒソカのセリフから気付かされた点です。
クロロが周りの人間を巻き込んだ戦法をとることにしたのは、前回までの能力説明で暗に示されましたね。
ブラックボイス、ギャラリーフェイク、オーダースタンプ、コンバートハンズ(サンアンドムーンもか)がそれぞれ他の人間を利用してコマにするための能力になるからです。
それならば戦いの場は天空闘技場じゃなくても、街中とかでもよかったんじゃ?って思っていました。が、天空闘技場を選んだワケがあったのです。
それは観客が「ヒソカ」を認識していること。
天空闘技場は試合の観覧ができるため、観客が出場者の名前を知っているのは当然です。(試合開始時に審判が紹介していましたしね)
人間の証明(オーダースタンプ)で単に「ヒソカを壊せ」と命令したときに、人形がそれを遂行できるのは、ヒソカがどいつなのかを認識できている、からです。
ブラックボイスの様にマニュアル操作する場合は、いわずもがな操作している本人が動かしているので、操作されている対象が相手を認識しているか否かは問題ではありません。
しかし、オーダースタンプのようなオート操作の場合「◯◯を攻撃」のような相手を指定する命令を与えた時に、人形がコレを識別できるかどうかがキモです。
おそらくオート操作の能力でも、操作対象が認識している必要があるものと能力者本人が認識していれば可の場合とが存在します。前者がオーダースタンプ、後者はたとえば[hxh8]で登場したトチーノの縁の下の11人(イレブンブラックチルドレン)などです。
それぞれの個体を操作するわけでなく単純な命令(ワード)を与えて操作していた、イレブンブラックチルドレンは恐らくオート型の操作能力でしょう。本人が放出系能力者ということもあって、緻密なマニュアル操作をする能力を避けた可能性もあります。
クラピカ曰く、「一番近い敵を攻撃しろ」で近くの敵を攻撃していたわけですが、「敵」であるかどうかを認識するのは誰でしょう?十中八九、能力者のトチーノです。
能力者が認識していれば操作対象にも反映される、といういい例でしょう。
以上のことから、念の概念ではどちらも再現可能だがどちらを選ぶかは能力者しだい、ということだと考えることができます。
オーダースタンプの特性として、人間のコピーを操作する場合、コピー元の人間の個性が反映される、とクロロは話しています。これはオーダースタンプの持ち主の考えが反映された、持ち主がそれを選んだ結果だといえます。
つまりコピー元の人間が「ヒソカ」を認識していれば、「ヒソカを壊せ」で行動に移れる。
「ヒソカ」を知らなければ、命令にしたがわない(動かない?)のではないか、と考えます。
実際に「命令無視する(フリーズ)」人形もいる、とクロロは言っていますしね。
天空闘技場を戦いの場に選んだのは、オーダースタンプを使う上で必要な条件だった、といえます。
あとがき
今回のバトルシーンでは、クロロの空中での体制移動など、能力頼みでなく体術も高いことが表現されています。
能力がないと戦えないわけじゃあないんです。団長の名は伊達じゃない!
気になるのは、最後の最後でヒソカがヒットさせた2発目のバンジーガム。
一発目と同じく切り落とした首なのかもしれませんが、描写だと何が飛んできたのかわからなかったんですよね…。
首じゃないのかな…?…これは深読みし過ぎかも。。
そして、ひさしぶりに登場したヒソカの勃◯表現・ズキュウウウン。
ほんと気色悪いです(笑)