今日も音楽レビューをひとつ。BABYMETAL(ベビーメタル)の「 METAL RESISTANCE 」です。
ベビメタ こと BABYMETAL(ベビーメタル)
ゴリゴリのメタルにのせて歌い踊る少女アイドル。
なかなか3次元では実現しなさそうな組み合わせが実現してしまっているのがBABYMETAL。
メンバーはボーカルを務めるSU-METAL(こと中元すず香)とダンス&コーラスをつとめるYUIMETAL(こと水野由結)、MOAMETAL(こと菊地最愛)の3人。
海外進出も果たし、世界各国のロックフェスに出演、単独でのワールドツアーも行うなどトップアイドルの枠を飛び越えて、もはやトップアーティストの域。
単発や地域限定で海外公演をやるアーティストは国内にたくさんいますが、ワールドツアーをやれる国内グループって案外限られているんです。
日本ではバンド、とくにメタルなんかのジャンルはどちらかといえばマイナー、コア層向けの音楽とされていると思うのですが海外ではアイドル+ゴリゴリのメタル、っていうミスマッチさ加減も受けているのでしょうか。
なによりサウンドがとってつけたようなメタルじゃなくて、しっかりゴリゴリハードメタルなのも評価される理由のひとつでしょう。
その道のファンに鼻で笑われるようなアプローチじゃなく、音作りやライブでの演奏陣などもメタル出身勢が支えています。
べつに “メタル=白塗り” っていう公式はないと思いますが、すさまじい絵面でしょコレ(笑)
さいきんでは国内の音楽フェスにアイドルグループが出演するのも珍しくなくなりましたが、ベビメタも割りと早い段階からロックフェスに参加していました。
ロックフェスには必然的にロック、バンドが好きなお客さんが集まっているわけで、耐性のない人達の中でのパフォーマンスをするアイドルはいわばアウェー。その場で着実にお客さんの心を掴んでこれたのはしっかりメタルに振り切ったサウンドで勝負していたからだと思います。
もちろん女性アイドルらしい要素は残していますが、なんちゃってバンド・サウンドのオケではなくバンドファン層にも受け入れてもらえる楽曲性だったことが、ひとつ飛び抜けた理由なんじゃないかな、と思います。
「 METAL RESISTANCE 」リード曲の「KARATE」を聴いてみよう
収録曲の「KARATE」のMVがYoutubeで公開されています。
世界同時発売ということもあってか「KARATE」なんかは海外ウケをねらったネーミング、MVの作り方だなー、と邪推してみました。
わかりやすく「和」のテイストが入っていますもんね。
外人は好きですよね「ニンジャ」とか「カラテ」とか(笑)
世界ツアーを終えて制作された本作は、彼女たちにとって2作目となるフル・アルバム。
ボクは前作のアルバム「BABYMETAL」も購入しましたが、前作にくらべてサウンドがよりメタル色強めに打ち出されているなあ、と感じました。
楽曲の作家陣は大きくは変わっていないようなので前作から約2年の活動過程を経た進化にあわせて、楽曲もより本域に進んだ、そんな感じがします。
本人たちが場数を踏んで「メタル」というジャンルをモノにした、というのもあるでしょう。
ただ、単にジャンルに同化してしまったなら「女性ボーカルのメタル」音源に聴こえてしまうのでしょうが、そこにはちゃんと自身の立ち位置を理解した、遊び心や愛嬌のあるアプローチが残ってます(YUIちゃんMOAちゃんのコーラスとかね)。
収録曲の「 Sis. Anger 」はメタリカの楽曲「 St. Anger 」へのオマージュだ、なんてネットでは噂されてます。
その歌詞には「気合だ!気合だ!」って、アニマル浜口さんの有名な一節が出てきたり。
しっかりとした歌唱力のSU-METALとは対象的な、あどけない2人のコーラスはベビメタの魅力のひとつですね。
感想&あとがき
[rating]
そもそもファンからは良い評価で妥当かな、と。
楽曲は、もう言うことなしにしっかりしたクオリティー。
ただ、ベビメタの楽曲性って、いわゆる最近のフェス勢の「メタル」じゃなくて、一般的に想像しやすい古き好き「メタル」がベースにあるので古臭さを感じるポイントはチラホラ。
アートワークやらなんやら他でスタイリッシュな補完がされているので、そこがマイナスに感じることはないですけどね。
古臭さというと悪く聞こえるけど、じゃっかんのノスタルジックというか。
好き好んでそのジャンルを普段から聞いていなければ、聴くこともなくなったようなフレーズのメタルが満載なんで。
ユニゾンでピロピロしてるギターソロとか、もうなかなか聴くことないですよね。。
好きな人からすればニンマリできるポイントというか。
逆に耐性のない人は苦笑いしちゃうんじゃなかろうか…て気もします。
知名度も出てファンも一気に増えたとは思うんですが、メタルやアイドルに耐性のなかった人たちはどういう経緯でファンになったのかなー、て気になるところです。
ボクみたいにバンド界隈を聴いてた人はすんなり入っていけると思うんですね。とくに男性なら抵抗なさそう。
女性は…、「女性アイドル」の部分を受け入れられるかどうか、かなって思います。
いまの若い層の女性は、なんの気負いもなく女性アイドルのファンをできると思うんです。
でんぱ組のファンの子とか女性めっちゃ多いですからね。
それができるか否かってアラサーがさかいめ、だと思うんです。
男性バンドのファンやってる人なんかだと特に、メンバーに近づく全ての女を許さない、みたいなシーンを見ることがあって。
ファン同士の小競り合いかとおもいきや、共演者とか関係者とか、女性ボーカルとかとコラボなんかした日にゃネットバッシング凄まじかったり。
そういう人は、そもそも「ファン生活」の中に「他の女性という存在」が不必要なんだろうな〜、と。
ライブハウス界隈にはめっちゃいます、そういうアラサー女性。
なんか話がそれましたが、
男性なら間違いなくベビメタの良さを共感してもらえると思いますよ!←
なによりMOAちゃん可愛い。
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