最終回 第10話 “Chapter Ten”
あらすじ&ネタバレ
現在(1947年)
終戦後、アルベルトは科学者仲間や渡米した息子たちに囲まれ誕生日を祝われる。
が、「宇宙の破壊者」と揶揄されたTIME誌からインタビューを申し込まれ気分を害してしまう。アルベルトは二度と原爆を使わせてはいけないと「原始科学緊急委員会」という団体を結成しようとする。
アルベルトの元には講演の依頼が殺到していたが、アルベルトはそのほとんどを断り、多くの黒人が通っていたリンカーン大学などの講演だけを引き受ける。何らかの理由で迫害を受ける人達の気持ちを理解していたからだ。
フーバーは相変わらずアルベルトを敵視し、彼に「共産党員」のレッテルを貼ってなんとかドイツに追い返そうと画策していた。
アルベルトは若い科学者たちを集め、「どの国にも核兵器を使わせない」ために「世界政府」という防衛機構を作ることを提案する。実現のために当時の共産党員と接触してしまうのだが、フーバーが送り込んだ監視官はそれを目ざとくチェックしていた。。。
いっぽうで、アルベルトの長男 ハンスは父と和解はしたものの幼いときにないがしろにされた事を忘れてはいなかった。
ハンスは母ミレヴァと同じく科学の道に進み、末に工学部に入学するのだが、アルベルトは工学を「ただの機械いじり」と嘲笑。ハンスの選択をなじる。それはアルベルトと反目した父親が工学の道に進んだ人物だったからなのかもしれない。。。それ以来、ハンスはアルベルトとの間に距離をおいていたのだ。
ある日、アルベルトのもとには訃報が届く。前妻のミレヴァが亡くなったのだ。
ハンスはその知らせを必死に伝えようとアルベルトに連絡を取り続けていたが、仕事にかまけるアルベルトに報が届いたのは明くる日だった。ハンスは相変わらず家族を顧みないアルベルトに絶縁を叩きつける。
時を同じくしてアルベルトの半生をテーマにした映画「始まりか終わりか」が公開される。アルベルト本人は映画の出来に憤慨し酷評する。そのころからアルベルトは腹部の大動脈瘤に悩まされるようになる。
1950年。
アメリカでは共産党員のあぶり出しが始まり、戦時下において共産党だった若い科学者たちは強制的な免職を余儀なくされる。政府の横暴な措置に憤慨するアルベルト。
アメリカとソ連は軍拡競争を加速させ、国民の人権すら脅かされていることに憤ったアルベルトはテレビ中継で暗に国家とFBIを中傷する。
それを受けたフーバーは激怒、盗聴や違法な手段を用いて何が何でもアルベルトを排除しようと考え始める。
アルベルトは尚も政府の横暴に抗議を続けるが、エルザの死後彼を支えてきた家政婦・ヘレンは彼の行動に危機感を募らせる。それでも年老いて「声を挙げることぐらいしかできない」アルベルトは自身が「正しい」と思う行動をするしかないのだ、と語る。アルベルトは処刑にかけられようとしている共産党員を救うために判事に手紙を出すが、フーバーはそれを盗み出し、アルベルトにスパイ容疑をかける。
アルベルトはそのころから部屋に引きこもるようになってしまう。
1955年。
アルベルトはひょんなことから近所の子供 アリス・エドワーズに数学を教えることになるが、それがきっかけとなって数学・科学の楽しさを思い出す。
物理学者 ニールス・ボーアと再び理論の研究をはじめたアルベルト。かつての資料を漁った際に、前妻ミレヴァの残した手紙を見つけたアルベルトは言葉を失い読み入ってしまう。彼女の死後、息子たちと断絶していたアルベルトだがヘレンはハンスと仲直りすることを勧める。
数年ぶりにハンス、そして孫達と再会を果たすアルベルト。
アルベルトは父親の今際に仲直りしたことを思い出し、ハンスが工学博士になったことを初めて褒める。更にミレヴァの存在の偉大さを語って聞かせハンスト和解に至るのだが、そのときアルベルトの腹部に激痛が走り病院に搬送されてしまう。
自分の死期が近いことを悟るアルベルト。ヘレンに「世話になったね」と挨拶し、3週間後に見舞う予定のハンスを待たずしてアルベルトは息を引き取る。
アルベルトは火葬を望んでいたが遺体は解剖され、その脳は標本として保存されることになる。
ハンスは脳を標本にされたことに憤るが「脳を顕微鏡で覗いても彼が天才だった理由は解き明かせない、脳は物体にすぎない、そこに魂はない」と語る。
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