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【海外ドラマ】ジーニアス 世紀の天才 アインシュタイン 全10話 ネタバレ&まとめ レビュー

CSチャンネル・ナショナルジオグラフィックチャンネルで新作海外ドラマ「 ジーニアス 世紀の天才 アインシュタイン 」がスタートしました。知られざるアインシュタインの素顔を紐解く伝記ドラマ。

毎週各話のレビューアップ予定ですので、一気に読みきれない場合は、ぜひブックマークしてください。

ジーニアス 世紀の天才 アインシュタイン とは

20世紀最大の物理学者アルベルト・アインシュタイン。

物理学の革命とされる相対性理論を提唱し、光電効果の理論的解明によってノーベル物理学賞を授与された歴史上の偉人。もしくは、核兵器の使用や戦争に反対した平和主義者、ボサボサの白髪に口ひげを生やしたエキセントリックな老人。これらが一般的に知られるアインシュタイン像だが、しかしそれはあくまでも表層的な一面にしか過ぎない。果たしてアインシュタインとはどのような人物だったのか。

その大きな疑問に答えるのが、ナショナル ジオグラフィックが初めて制作する本格ドラマシリーズ『ジーニアス:世紀の天才 アインシュタイン』だ。

愛することは、どんな数式よりも難しい。

物語はアインシュタインが学生だった1894年、既に世界的な名声を確立した1922年、この2つの地点から同時に始まる。

飽くなき好奇心と自由な想像力に恵まれながらも、周囲の無理解に苦しんだ繊細な青年期。ナチスの台頭に危機感を募らせ、社会に蔓延するファシズムに強く抵抗した中年期。さらには幾人もの女性を愛し、美しい音楽を愛し、数々の失敗も重ねた人間アインシュタインの波乱に満ちた人生に迫ることで、ジーニアス=天才とは何かを解き明かしていく。

製作総指揮・演出(第1話)にオスカー監督ロン・ハワード、主演にオスカー俳優ジェフリー・ラッシュと名女優エミリー・ワトソン。世界171の国と地域で放送される全10話の超大作ドラマは、2017年のテレビ界において最大のイベントとなることだろう。

FOX より

登場人物

あらすじを追う前に、主要キャラクターをチェック。

アルベルト・アインシュタイン

ドイツ生まれの理論物理学者。20世紀最大の物理学者でもあり、しかも現代物理学の父とも呼ばれる。

晩期のアルベルトを演じているのは映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのキャプテン・バルボッサ役で有名な[actor][name]ジェフリー・ラッシュ[nname]([altname]Geoffrey Rush[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm0001691/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2017/05/1494400007-300×200.jpg”][aactor]

若年期のアルベルトを演じているのは[actor][name]ジョニー・フリン[nname]([altname]Johnny Flynn[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm1926865/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2017/05/1494400005-300×167.jpg”][aactor]

エルザ・アインシュタイン

アルベルトの晩期の妻。ナチス占領下のドイツに住むことに怯えアルベルトにアメリカ移住を提案する。

演じているのは映画「アンナ・カレーニナ」などで知られる[actor][name]エミリー・ワトソン[nname]([altname]Emily Watson[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm0001833/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2017/05/1494400000.jpg”][aactor]

ミレヴァ・マリッチ


アルベルトの前妻。アルベルトが大学生時代にスイスの大学で出会うことになる。

演じているのは[actor][name]サマンサ・コリー[nname]([altname]Samantha Colley[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm5087795/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2017/05/1494400899.jpg”][aactor]

マリー・ウィンテラー

アルベルトが身を寄せることになる家の娘。アルベルトは教師である彼女と恋に落ちる。

演じているのは[actor][name]シャノン・ターベット[nname]([altname]Shannon Tarbet[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm4381014/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2017/05/1494400058-680×532.jpg”][aactor]

第1話 “Chapter One”

 

あらすじ&ネタバレ

過去(1894年)

ドイツの大学に通う若き日のアルベルトは大学に通いつつも退屈な講義に飽き飽きしていた。もっと本域の学問を学びたいと考えていたが、父親に叱責を受けてしまう。
さらに家族はアルベルトをドイツにひとり残し、イタリアへと移住してしまう。

ひとりでの生活に耐えられなかったアルベルトは勝手に大学を辞めてイタリアの家族の元へと出向く。隣国であるスイスの大学を受験し家から通おうとするのだが、「数学」と「物理」意外の成績がからっきし悪かったアルベルトは入学試験に落ちてしまう。しかし天才的な数学の成績を評価した教師が、個人的な知人であるヨスト・ウィンテラーのもとで学問に取り組むよう勧める。

アルベルトは進められるままスイスの田舎町にあるウィンテラーの家にやっかいになる。そこでウィンテラーの娘・マリーと恋に落ちるアルベルト。ヨストにも気に入られ、マリーと結ばれたアルベルトは、1年後にふたたび試験を受けてスイスの連邦工科大への入学をパスする。

マリーとの別れを惜しみながらチューリッヒに入学したアルベルトは、後に結婚することにもなる秀才のミレヴァ・マリッチと出会う。

現在(1922年)

大学で講義をとっていたアルベルトの元に友人である政治家のヴァルター・ラーテナウが暗殺された、という報が届けられる。
ユダヤ人迫害の風潮が高まっていた時代、アルベルトの妻のエルザは恐怖し移住を考え始める。

それでもアルベルトはドイツに滞在することを選び続け、ラーテナウの死から10年もの月日をドイツで過ごしていた。
しかし街なかでナチス党員のリンチを目の当たりにしたアルベルトはアメリカへの移住を決意。アメリカ大使館へと相談に訪れる。

するとそこでアルベルトは、前妻であるミレヴァ・マリッチの素性と彼女の政治思想について尋問を受けることになってしまうのだが…。

※ジーニアス:世紀の天才 アインシュタイン 第1話 のもっと詳しいレビューはこちら

第2話 “Chapter Two”

 

あらすじ&ネタバレ

過去

アルベルトは賢いミレヴァに興味をもつが粗野に扱われてしまう。いっぽうでアルベルトは同じ講義をとっている男子学生ベッソ、グロスマンと親しくなる。

アルベルトは大学に入学してから事あるごとに講師たちに盾突き反感を買っていた。彼の才能を見込んだ講師・ウェーバーだけは彼をかばっていたのだが。。。

まだ女性が学問を学ぶことに閉鎖的な時代、加えて中東系の人種であることと足が不自由であることからミレヴァの進学は危ぶまれてきたが、彼女の科学に向ける熱心さを組んだ父親は彼女を大学へと進学させるにこぎつける。
そのため、ウェーバーはアルベルトがミレヴァにうつつをぬかすことを危惧していた。

アルベルトの熱心なアピールが続きミレヴァは彼に心を開き始めるが、彼にはマリーという婚約者がいたと知りショックを受ける。
とうのアルベルトはマリーとの仲を深め彼女の父・ヨストにも「責任を果たせ」と将来を期待されるが、科学的な話しをすることができないマリーに、アルベルトは不足感を抱き始めていた。そんななかアルベルトはミレヴァにアピールをつづけるが、彼にフィアンセがいることをしったミレヴァは「弄ばれている」と感じ彼を突き放そうとする。

ミレヴァはアルベルトと距離を置くためドイツの大学に聴講しにやってくるが、そこで学んだ興味深い科学の話を、どうしても彼と交わしたくなり手紙をしたためる。彼女の手紙に触発されたアルベルトはまたも講義で問題を起こし、ついにウェーバーに見放されてしまう。

スイスよりも保守的であったドイツでは女性であることが学問の妨げになるということを肌で感じだミレヴァはスイスへと戻ってくる。アルベルトはマリーを捨てミレヴァとの関係に興じ、彼女もそれを受け入れる。ミレヴァは彼が肉体関係だけを求めているのだと危惧するが、彼は「彼女の頭の良さに恋をしている」と告げる。

ふたりは関係に没頭し講義をサボるようになるが、アルベルトの部屋でマリーからの恋文を発見してしまったミレヴァは、彼が誠実な関係を求めているのではないと知り憤慨する。アルベルトは正式にマリーに別れを告げ、ミレヴァに謝罪、正式にミレヴァにプロポーズを申し込む。
しかし恋に興じた挙句、成績を落としてしまったミレヴァは落第してしまう。

8ヶ月後、ミレヴァは故郷のセルビアに帰郷するが、彼女を暖かく迎えた父親に、彼女は「アルベルトの子供を妊娠してしまった」ことを告げる。

見どころ:

ベッソ役を演じているのはドラマ「フリンジ」シリーズに出演していたセス・ガベル(Seth Gabel)

第3話 “Chapter Three”

 

あらすじ&ネタバレ

過去(1901年)

ヴィルヘルム・レントゲンという人物がレントゲン写真の原理を発見しノーベル賞を受賞する。おなじ原理を研究していたドイツの大学講師 フィリップ・レーナルドはみすみす他人に栄誉を譲り渡してしまったことに「なぜ自分は気づけなかったのか」と悔しがる。

アルベルトもその報を聞かされるが、彼にとっては他人の受賞よりも、自身の職探しのほうが重要だった。ミレヴァを妊娠させたアルベルトは職を探すためほうぼうの大学に履歴書を送り、ようやくひとつの大学から講師としての職を得ることができた。
しかし、大学の講義でさんざん迷惑をかけてきたアルベルトのことをよく思っていなかったウェルナーは、アルベルトの就職先の大学に「推薦しない」旨を伝え、アルベルトの就職は白紙になってしまう。

なにがなんでも科学の職に就きたいと願うアルベルトだったが、仕事は一向に決まらない。父親とは不仲なため母親に金の無心をするのだが、マリーと別れミレヴァと結婚することを聴いた母親は困惑し立ち去ってしまう。アルベルトは妹のマヤにだけは本音を漏らす、「子供ができてしまい責任をとらなければいけないが、いま結婚したら科学者として羽ばたくことができなくなってしまうだろう…」と。

セルビアの実家に戻ったミレヴァは出産しアルベルトと一緒になることを望むが、彼女の将来性を買っていた父親は、「母親」の器におさまり科学者としての道を閉ざされるのでは…?と落胆していた。
ミレヴァ自身も自分の将来に不安を抱え、更にアルベルトが頼りにならないと感じ始めていた彼女は、自分の子供を親友の養子にだすことも考え始める。

依然、職の見つからないアルベルトは物理を教える家庭教師として募集広告を出す。すると個人的に物理を学びたいという青年 モーリスソロヴィーヌとコンラット・ハビヒトから声がかかる。ふたりはアルベルトの奇想天外荒唐無稽な理論に興味を示す。すっかり意気投合した3人は科学について探求するサークル「オリンピアアカデミー」を結成する。

そのころミレヴァはアルベルトの娘・リーゼルを出産する。
アルベルトはミレヴァに会いに行こうとするが、モーリスは彼が「父親という立場に甘んじれば科学者として成功することはできない」と諭し、ミレヴァを捨てることを勧める。悩むアルベルトの元には、さらなる知らせが届く。アルベルトの父親が重病に倒れてしまったというのだ。
アルベルトは久しぶりに父親の元に姿を現す。病床の父親に優しく諭されたアルベルトは父の死を看取り、ミレヴァと結婚することを決意する。

しかしその後すぐに、生まれたばかりの娘・リーゼルは病気で亡くなってしまう。失意の二人に対し、マヤは「これでミレヴァと結婚する義務はなくなった」と兄を諭し、ミレヴァの父も「やり直す機会を神が与えてくれたのだ」と諭す。お互いに悩み抜いた末、アルベルトは正式にミレヴァに結婚を申し込むことになる。
ふたりで暮らし始めることになり、職が必要になったアルベルトはグロスマンの勧めで特許局の事務の仕事に就く。が、やはり彼にとっては退屈な職場になりそうだ。。。

そのころレントゲンに手柄を奪われたと感じているフィリップ・レーナルドはノーベル財団に講義の手紙を出すが、その甲斐もむなしく撥ね付けられてしまう。このころからフィリップはユダヤ人に対しての憎悪を高まらせていくのだった。

第4話 “Chapter Four”

あらすじ&ネタバレ

過去(1905年)

アルベルトは特許局の事務の仕事をしながら、彼にとっては退屈意外の何モノでもなかった。
娘リーゼルの死後、アルベルトとミレヴァの間には第2子となる息子・ハンスが誕生していた。事務の仕事をしながらも論文を考案していたが一向に取り合ってもらえず憤るばかり。そんな彼をミレヴァは熱心に支えアルベルトの論文を最高のものへと完成させる。
そのかいあって論文は一般に公開されるがアルベルトが期待していたような反響を得ることはできず、ふたたび煮詰まってしまうアルベルト。

アルベルトは仕事をしながら新たな論文を書くには、「仕事の負担を減らさなければならない」と考え、仕事を斡旋してくれたグロスマンに口利きしてもらい友人のベッソを同じ職場に迎え入れ、自分の仕事の負担を軽減させようとする。
ベッソはウィンテラーの次女と交際を続けていたが、アルベルトに仕事を斡旋してもらったことを聴くとウィンテラーの表情は曇る。それでもマリーは「アルベルトは優しいのよ」と彼を庇うのだった。

ミレヴァの両親はアルベルトと同居しハンスの面倒を見ていたが仕事で故郷セルビアへと帰ることになってしまう。論文を書きながら子育てはできないと嘆くミレヴァ。アルベルトは代わりに自分の母親を家に招くのだが、ミレヴァのことを嫌っているアルベルトの母親との同居に彼女は一抹の不安を覚える。

アルベルトは「分子」の存在を証明する論文をかき上げ発表するも、またしても思ったような反響は得られない。それでも彼は諦めず3つ目の論文を書こうと躍起になる。

ミレヴァの不安のとおり母親と彼女は反りが合わず衝突、さらにアルベルトは女たちの喧嘩には干渉しないとばかりにミレヴァをかばおうともしない。
アルベルトはミレヴァの苦労をよそに、ベッソの協力を得て新たな論文への足がかりをつかむが、自分のあずかり知らぬところでアルベルトが前進していることを知ったミレヴァは複雑な心境に苛まれてしまう。

しかし3つ目の論文でも思ったような反響を得られなかったアルベルト、彼のもとにある知らせが届く。
ウィンテラー家の息子のひとりユリウスは脅迫障害に悩まされた挙句、母親を撃ち殺し自身も自殺してしまったというのだ。ふたりの葬儀に参列したアルベルトはマリーとひさびさの再会を果たす。失意のウィンテラーに「良い父親になる」よう諭されるアルベルト

彼が家に帰るとミレヴァには我慢の限界が訪れていた。アルベルトの母親からのいびりに耐えきれなくなったミレヴァは不満を漏らすが、すると母親もミレヴァを罵り始める。彼女を侮辱されたアルベルトは母親を家から追い出そうとするが、去り際に「ミレヴァが幸せにしてくれると思っているならみじめな人生を送ることになるわよ」と吐き捨て母親は去っていった。

アルベルトはベッソの協力を得て4つ目の論文を書きあげるが、論文への謝辞に記されたのはベッソの名前だけでミレヴァの名前は書かれていなかった。自分も論文に多大な協力を下にもかかわらずアルベルトに軽んじられていると感じたミレヴァは失望してしまう。

しかし4つ目の論文にしてアルベルトは物理学の権威 マックス・プランクに「天才」だと認められることになる。

見どころ:

アルベルトの青年期よりも更に過去1890年代が並行して描かれ、かの有名なキュリー婦人が「放射能」を発見する。女性が科学者として認められるのが難しい時代、キュリー夫妻とアルベルト夫妻が対比されて描かれている。

第5話 “Chapter Five”

あらすじ&ネタバレ

過去(1910年)

アルベルトとミレヴァの間には次男のエドゥアルトが誕生していた。アルベルトは念願かなって大学講師の職を手に入れたが、ミレヴァとの夫婦仲は徐々に冷めていっていた。

アルベルトの提唱した「相対性理論」は学会でも注目を浴びアルベルトの科学者としての脚光をモノにし始める。オーストリアの由緒ある大学に講師として迎え入れられることになったアルベルトは、そのポジションを得るために信じてもいない「宗教家」を名乗るようになる。

アルベルトたちはプラハに移り住むが、科学から遠ざかる一途のミレヴァには不満が募っていた。さらにアルベルトが他の女性に興味を示すようになり夫婦の間は更に冷えていった。

アルベルトは学会のパーティーに参加し、キュリー婦人と出会うことになる。夫を亡くし他の男性と関係を持ったことから婦人は学会でも白い目で見られるようになっていたが、アルベルトはそんなことは気にもとめず、婦人と親しくなり科学の話に明け暮れるようになる。
アルベルトはミレヴァがキュリー婦人に憧れていることを伝え彼女を褒めるのだが、それに反してミレヴァはアルベルトの浮気を疑い、ふたりの想いはさらに行き違うようになっていく。

ミレヴァを避けるようになったアルベルトはベルリンに住む親戚の家に身をよせた際に、いとこであるエルザと男女の関係を持ってしまう。しかしお互いに子供を持つ身であるふたりはそれ以上に関係を進めることは踏みとどまった。

いっぽうでミレヴァは心労から子育てに専念できなくなりはじめ、そのスキをついてエドゥアルトが火遊びに興じ家が火事になりかける。ミレヴァを不憫におもったアルベルトは妻子を連れてキュリー婦人の住むスイスへ休暇に出かけることにする。
キュリーは噂されていた自身の不倫をアルベルトに告白し、アルベルトとミレヴァがうまくいかないであろうことを暗に諭すのだった。

ドイツの物理学者 フリッツ・ハーバーはアルベルトの噂を聞きつけ彼をドイツの大学に招き入れようと考える。しかし彼の同僚であるフィリップ・レーナルドはアルベルトに嫉妬心を燃やすのだった。。。

フィリップの思いとは裏腹にドイツのプロイセンアカデミーはアルベルトを正式にドイツに招く書状を認める。それを受け取ったアルベルトは悩んだ末に、ドイツに戻ることを決意する。

見どころ:

アルベルトの次男 エドゥアルト・アインシュタインの青年期(1932年)、彼が精神的な病に悩まされている様子が並行して描かれる。精神を病んだエドゥアルトはアルベルトのことをひどく憎むようになっていた。

第6話 “Chapter Six”

あらすじ&ネタバレ

過去(1913年)

アルベルトは自身の研究に不可欠である天文分野の新星 エルヴィン・フィンレイソン=フロイントリヒとタッグを組んであ新たな論文に取り掛かっていた。
いっぽうで依然冷え切ったミレヴァとの夫婦関係に悩むアルベルト、彼がドイツの大学へ移ることを勝手に決めたことにミレヴァは腹を立てる。科学者としての地位が認められ始めたアルベルトと家庭に缶詰にされたミレヴァの見解は離れていくばかりだった。

ドイツに移ると、帝国主義のアルベルトの同僚に「中東生まれ」であることを揶揄されてしまうミレヴァ。エルザはそんな彼女を庇い、ミレヴァも彼女の優しさに感動する。アルベルトが浮気している相手だとも知らずに。。。
いっぽうでミレヴァはアルベルトの大学に同郷の男性ウラジミール・ワリチャクに惹かれ始めてしまう。

アルベルトは多額の費用がかかる研究の許可を大学に求めるが、彼に懐疑的なフィリップ・レーナルドは猛反対し費用の捻出を拒む。するとエルザは自身のコネをつかって出資者を募り実業家 グスタフ・クルップを紹介する。

しかし彼との不倫が噂になることを危惧したエルザはアルベルトとの逢瀬を辞めようと決意する。同じ頃、ミレヴァはアルベルトとエルザの浮気に感づく。憤慨するミレヴァを友人が慰め、彼女は仕返しにワリチャクと浮気しようとするのだが途中で尻込みしてしまい結局関係には至らなかった。

ミレヴァはそのことをアルベルトに明かし自身への愛を確認しようとするが、アルベルトの心は既に彼女から離れていた。彼に正式に離婚を申し入れられたミレヴァだが、頑なに離婚を拒む。
アルベルトは同僚の手を借りてミレヴァに宣誓書を送りつけサインさせようとする。そこにはまるでアルベルトの執事にでもなるかのような要求が並べられており、ミレヴァは更に憤慨する。

アルベルトは無理難題を押し付ければミレヴァが離婚に応じると考えたのだが、彼の思い通りにさせることを許したくないミレヴァはその要求を飲み込み離婚しないことを突きつける。事が思ったように運ばなかったことに憤慨するアルベルト。

さらにミレヴァは一度は断ったワリチャクとの関係を再会させる。
もともとワリチャクはアルベルトの論文に穴があることを警告しやってきていた。穴のある研究に多額の費用を費やせばアルベルトの信用は地に落ちると危惧したからだ。それを聴いたミレヴァはそれをアルベルトに知らせ彼の信頼を少しでも取り戻そうと考えるのだが、もはやアルベルトは彼女の言葉に耳を貸そうとはせず彼女を部屋からたたきだしてしまった。

フロイントリヒは件の研究のためロシアへと赴くが、時を同じくしてロシアとドイツが戦争を始めてしまう。
無防備な状態で敵地に飛び込むカタチとなってしまった一行。フロイントリヒたちはスパイとしてロシア軍に捕らえられてしまい、そうこうしている間に彼らが研究のため観測する予定だった日食の時が過ぎてしまう。

事態を察し焦ったアルベルトは両政府に掛け合いフロイントリヒの釈放をとりつけるが、必要な研究結果は得ることができなかった。
ミレヴァは「それでよかった」と嘲笑する。ミレヴァがそのことを黙っていたことに憤慨するアルベルト、ミレヴァは彼の破滅を何処かで望んでいたと笑い、さらにそんなことを願うようになった自分に自己嫌悪する。

ついにアルベルトとの生活に限界を感じたミレヴァは二人の息子を連れて家を出てスイスへと向かう。
息子たちを連れて行かれることに焦ったアルベルトは止めにやってくるが「何もかもは手に入らないわ」と告げると彼女は息子たちとともにドイツを後にする。自分が望んでいたことなのに突如訪れた家庭崩壊に泣き崩れるアルベルトだった。。。

第7話 “Chapter Seven”

  

あらすじ&ネタバレ

過去(1914年)

戦争の情勢は悪化し、軍は新兵器の開発を大学に依頼。科学界の面々は軍への忠誠を誓い始める。そんななかアルベルトだけは「科学を戦争に利用する」ことを拒む。

ミレヴァや子どもたちと離れたアルベルト、それでもエルザは「正式に離婚するまでは一緒になる気はない」と告げる。
スイスに移り住んだミレヴァだが、ドイツ(アルベルト)からの仕送りは戦争の影響で暴落し困窮していた。近くに住んでいたベッソ夫妻を頼りピアノの教師として働きだそうとする。事態を察したベッソは彼女にこっそりとカンパを渡すのだった。
それでも心配なベッソは彼女の家を訪ねるが、ミレヴァは幼い子どもたちの前で気を失い倒れていた。子どもたちによれば時折そのような症状があるらしいのだが。。。

アルベルトはなおも相対性理論の完成を目指していたが、彼の理論に興味を示した数学者 ダフィット・ヒルベルトも独自に理論研究をはじめ、手柄を横取りされるのではないかと焦り始める。
兵器開発に協力せず研究に没頭するアルベルト、彼の同僚で友人のフリッツ・ハーバーは次第にアルベルトを軽蔑しはじめる。

健康そっちのけで研究をするアルベルトは肝臓を病んでしまう。さらにベッソからはミレヴァが心臓病で入院したことを知らされるが子供はベッソが面倒見ていると知り、彼女のことを心配する素振りも見せず、研究への没頭を辞めない。
そんなアルベルトの努力もむなしく、彼に先んじてヒルベルトが理論を紐解く数式を完成させてしまう。失望するアルベルト。

研究に区切りをつけたアルベルトはスイスのミレヴァのもとを見舞いに行こうとするが、戦争の影響で国境を超えることが叶わなくなりアルベルトはドイツに引き戻されてしまう。

ドイツに戻り鬱屈とした日々を過ごしていたアルベルトだが、ふとした拍子にヒルベルトの数式に間違いがあることに気づく。同時に正しい数式も思いつき、アルベルトは相対性理論を自身で完成させる。

そのころハーバーは兵器開発に没頭し、ガス兵器を開発する。ハーバーの妻は恐ろしくなりアルベルトに相談してくる。
ハーバーは歪んだ愛国心に洗脳され、ガス兵器を使って敵国を倒せば「戦争は終わり平和が訪れる」と語る。アルベルトは彼がもはや手におえない精神状態になっていると察する。いっぽうで、大学の権威 マックス・プランクの息子が戦士したことが伝えられる、プランクは嘆き「アルベルトが兵器開発を拒んだ選択は正しかった」と伝える。
一連の悲劇を受けてアルベルトは、それまで断っていた反戦団体の表明分に署名する。「戦争に反対し売国奴と呼ばれても、戦争に反対することに意義がある」と。

しかしそんなアルベルトの思惑とは裏腹にハーバーは開発したガス兵器を使い大量の敵国兵を死に至らしめてしまう。ハーバーは英雄として褒めそやされるが、夫が大量殺人を犯したと嘆いた妻・クララは彼の前で拳銃自殺してしまった。

現在(1918年)

第一次世界大戦が集結する。

戦争が終わり、アルベルトの相対性理論の証明はもはや秒読みの段階に入っていた。
アルベルトはエルザと一緒になり暮らすようになっていたが、エルザは「理論が完成すれば、アルベルトの私生活=エルザとの関係が公になってしまう」と焦る。ふたりは未だ正式に結婚していなかったからだ。アルベルトはミレヴァに幾度となく離婚を迫っていたが彼女は答えようとしなかったのだ。エルザは何が何でもミレヴァと離婚するように求める。

アルベルトは「理論完成の暁にはノーベル賞の賞金を全額渡すから離婚してくれ」とミレヴァに申し出るが、彼女は受け入れずアルベルトを追い出してしまう。
息子たちもすでにアルベルトに愛想を尽かしていたため、ミレヴァに離婚するように勧め「あんな人のことは忘れよう」と諭す。

子どもたちの説得もあり、アルベルトとミレヴァは正式に離婚調停を行う、その条項には「アルベルトは息子たちとあってはならない」という項目も含まれていたが、アルベルトは悩んだ挙句、それを承認する。父親が自分たちと決別する言葉を吐いたことに息子たちは涙する。

相対性理論は正式に証明されるが、アルベルトを嫌っていたフィリップ・レーナルドはノーベル委員会に働きかけ賞の授与を阻もうとする。
フリッツ・ハーバーも受賞することになったが、アルベルトは彼が戦時中に犯した過ちを許す気に離れず、以来交友関係は断絶していた。しかしエルザに説得されたアルベルトはハーバーの授賞式に赴く。

レーナルドは当時の右翼であるドイツ人民党と手を組みアルベルトの賞だけではなく、彼の人格を攻撃する集会が開かれるようになる。
反ユダヤ主義の右翼思想者たちはユダヤ人であるアルベルトを糾弾しようとし、それを知ったアルベルトもまた対抗の姿勢をとる。学会に直訴しレーナルドの科学者としての資質を批判する文章を新聞に載せてしまう。
面と向かって喧嘩を売られたと感じたレーナルドは「私も手を組む同士を選んでおこう…」とアドルフ・ヒトラーの生地を眺めるが。。。

見どころ:

第1話ぶりに現在の視点が描かれる(過去視点から4年しかたっていないのにアルベルトの容姿が一気に老け込んでいるのが気になる…苦笑)

第8話 “Chapter Eight”

 

あらすじ&ネタバレ

現在(1921年)

レーナルドの思索と政治情勢によって、相対性理論を完成させたアルベルトへの風当たりは冷え込む一方だった。
そんな彼に化学者で後のイスラエルの大統領となる男 ハイム・ヴァイツマンは言いよる。ヴァイツマンは迫害されるユダヤ人のために「建国」すると明かすがアルベルトはやっかいごとに首を突っ込みたくないと関与を拒む。しかしヴァイツマンはユダヤ人が各国で大量虐殺されている記録写真を見せアルベルトを説得しようとする。

まんまと感化されたアルベルトはヴァイツマンに協力しようとするが、エルザはユダヤ批判を恐れ怪訝。
そんななかヴァイツマンに連れられアルベルトとエルザはニューヨークを来訪することになる。相対性理論によって有名になっていたアルベルトは歓迎される。が、移民の後にアメリカに同化した「同化主義者」のユダヤ人を批判しようとしたアルベルト、ヴァイツマンとエルザは彼の無計画な挑発を制する。

ヴァイツマンの計画の一旦である資金集めのために演説を行うアルベルト。彼はヴァイツマンとエルザの制止を聞かず、同化主義を蔑み「ユダヤの誇り」を語りなかば「選民思想」のような演説をしてしまう。同化主義のユダヤ人には呆れられてしまうが、いっぽうで同じくユダヤの血を誇りに考えていた人々には賛同を得る形になる。

ドイツに戻ったアルベルトは政治家のヴァルター・ラーテナウ(第1話で暗殺された人物)をヴァイツマンの計画に誘うのだが、ラーテナウは中立の姿勢を保ち続けた。
同じ頃、ノーベル委員会はレーナルドの反対を押しのけアルベルトにノーベル賞を与えることを決める。

さらにナチス圧政が進んだ頃、ミレヴァは次男 エドゥアルトが自殺未遂を犯し精神病院に入ったことを告げる。
アルベルトは息子を見舞い、かつて子守唄代わりに奏でたバイオリンを披露する。エドゥアルトは幼少期に聴いた曲を思い出し、アルベルトに笑顔を見せる。

(※お話は第1話の現在視点 1932年に戻る)

第一次大戦後、多くのユダヤ人がアメリカに移り住んでいたが、アメリカ政府は連邦捜査局(FBI)のジョン・エドガー・フーヴァーの指揮のもとユダヤ移民たちに暴力的な取り締まりを敷いていた。

ナチスのドイツ統治に恐怖を感じ始めたアルベルトとエルザはアメリカ亡命を申請したが、フーヴァーの指示でドイツ大使館員・ガイストの聴取を受けることになってしまう。
アルベルトは思想批判を示唆され激昂するがエルザがそれを諌める。FBIは前妻であるミレヴァの政治的思想に興味を持っているらしかった。ミレヴァの弟はアメリカの敵国・ソ連に移り住んでいたし、21年の演説が過激思想ととられ、「共産党員」であることを疑われていたのだ。
アルベルトは共産党員であることを否定する。中立を貫いたラーテナウですら「ユダヤ人だから」という理由で殺されてしまったためアルベルトは「ユダヤ人である異常、思想がどうであれドイツに残るのは危険」「ナチスのファシズムから逃れたいだけだ」と訴える。

ガイストはエルザを退席させ、アルベルトの「浮気性」について言及する。
ミレヴァと離婚しエルザと正式に婚約した後もアルベルトは秘書のベティと浮気していた。エルザはそれを知っていたが、浮気を許す代わりにエルザの望む「アメリカへの亡命」を実行に移すことになったのだ。

ガイストは聴取をしている間にアルベルトの人間性に面白みを感じ始める。聴取冒頭では攻撃的だったガイストもいつのまにかアルベルトの話を興味深く聞き入るようになっていた。
ガイストはフーバーにアインシュタイン夫妻の亡命を許可するよう申請するが、フーバーはそれを却下する。失望したアルベルトはエルザ経由で記者に連絡を取り、「世界的科学者が政治的尋問を受けた」とマスコミに記事を書かせる。フーバーは憤慨するが事態を鎮圧するため「共産党員ではないことを一筆かけば亡命を許可する」と妥協案を提示する。

しかしアルベルトはサインを拒んでしまう。彼の決断を見たガイスト、あるベルトに惚れ込んでしまた彼は一筆受け取らないままに、独断でパスポートを発行する。
職を失うかもしれない独断行為を犯してまで亡命を手助けしようとするガイストに心打たれたアルベルト。「人のためになることをしたい」と語るガイストに「職を辞める必要はない」とアルベルトは思い直し一筆サインすることを承諾する。

見どころ:

作中に登場するレイモンド・H・ガイストは実在の人物であり、アルベルトの亡命後6年にわたり約5万人ものユダヤ人の亡命を手助けした。

ヴァイツマンを演じていたのはドラマ「Dr.HOUSE」などで知られる[actor][name]ピーター・ジェイコブソン[nname]([altname]Peter Jacobson[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm0414772/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2017/05/1500095461.jpg”][aactor]。

第9話 “Chapter Nine”

あらすじ&ネタバレ

現在(1933年)

レーナルドはナチス党に正式に参加し、ユダヤ人の排除に精を出す。アルベルトだけではなくユダヤ人であるフリッツ・ハーバーも彼の標的となっていた。

アルベルトがアメリカに亡命した後、ドイツの自宅や別荘はナチス党によってあら捜しされ科学書の類は焼き払われてしまう。エルザはドイツに残してきた娘・マルゴットのことを心配するのばかり。心労からか心臓を病んでしまう。
アルベルトはドイツに残してきた親族や知人を亡命させようと財務長官に直訴するが、戦犯であるフリッツと身体を病んだエルザの親族・イルゼ、そして精神を病んだアルベルトの息子エドゥアルトは亡命を認められなかった。

フリッツはドイツを追われパレスチナへと移るのだが、その先で病にかかり程なくして亡くなる。訃報を受け取ったアルベルトは彼に何もしてやれなかった無力感に襲われる。

アルベルトはアメリカ大統領に掛け合いナチスへの批判姿勢を公にするよう働きかけるが思うようにことは進まない。鬱屈とする日々の中、エルザの病状は悪化しもはや手に負えない段階になっていた。さらに落ち込むアルベルト。
アルベルトはエルザに求められるまま、病床の彼女に本を読み聞かせる日々を送るようになる。それまでの浮気性がウソのようにエルザに付き添うアルベルト。
ある火、アルベルトが読み聞かせする横でエルザは眠るように静かに息を引き取る。

1939年。
エルザが亡くなった後、アルベルトは友人の妻・マルガリータと不倫するようになる。
いっぽうドイツでは核分裂の実験が成功したと発表される、核反応を利用すれば「原爆」を作ることが可能になる。科学者達はナチスが原爆を現実化させる前に、アメリカがそれを実現スべきだと訴える。アルベルトはフリッツの過ちを思い出し、科学を戦争に利用すべきではない、と危惧するのだが。。。悩んだ挙句、アルベルトはアメリカ大統領に手紙を送る。
大統領は原爆製造に着手、国籍を取得したアルベルトは原爆開発のメンバーに推薦されるが、FBIのフーバーはアルベルトへの危険視を緩めておらず、彼の参加に異議を唱える。

アルベルトは原爆開発から外されたことに内心ホッとしていたが、ロシア人であったマルガリータとの関係を政府に詮索され、「原爆に関する情報はロシア人に流すな」と警告される。
万が一にもマルガリータが裏切るはずはないと考えていたアルベルトだが、その思いに反してマルガリータは不審な行動が増え始める。

1944年。
ドイツの科学者 ヴェルナー・ハイゼンベルクは原爆を完成に近づき始める。
フーバーは原爆の完成とドイツ・ソ連の結託を恐れ、アメリカのプロ野球選手でありスパイとしても活動していた人物 モー・バーグを刺客に送りハイゼンベルグを殺そうと考えたが、暗殺は未遂に終わる。

アメリカの科学会では原爆の恐怖が実現化し、爆弾を開発することを辞めるよう求める声が起こる。アルベルトはまたもや科学者たちに頼まれるカタチで大統領に「原爆開発中止を求める」手紙を送る。しかしアルベルトが手紙を送ったルーズベルトは翌年に他界。その手紙が読まれることはなかった。
同じ頃、ドイツではヒトラーの自殺によってナチスが崩壊。

アルベルトの思惑に反して、マルガリータはロシアからの諜報部員として送り込まれていた。米独両国の情勢が変わったことでマルガリータには帰国命令が下り、アルベルトへの別れを告げ彼女はアメリカを去る。
愛した女性との別れを終えたアルベルトのもとに衝撃の報が届く。アメリカが原子爆弾を完成させ日本の都市に投下したというのだ。。。
原爆の開発に関係したとされるアルベルトは新聞で「宇宙の破壊者」と揶揄されてしまうのだった。

見どころ:

ジョン・エドガー・フーヴァーを演じていたのはドラマ「グレイズ・アナトミー」でオマリー役を演じていたT・R・ナイトが客演。

モー・バーグを演じていたのは映画「リトル・イタリーの恋」などに出演していたアダム・ガルシアが客演。

最終回 第10話 “Chapter Ten”

あらすじ&ネタバレ

現在(1947年)

終戦後、アルベルトは科学者仲間や渡米した息子たちに囲まれ誕生日を祝われる。
が、「宇宙の破壊者」と揶揄されたTIME誌からインタビューを申し込まれ気分を害してしまう。アルベルトは二度と原爆を使わせてはいけないと「原始科学緊急委員会」という団体を結成しようとする。

アルベルトの元には講演の依頼が殺到していたが、アルベルトはそのほとんどを断り、多くの黒人が通っていたリンカーン大学などの講演だけを引き受ける。何らかの理由で迫害を受ける人達の気持ちを理解していたからだ。

フーバーは相変わらずアルベルトを敵視し、彼に「共産党員」のレッテルを貼ってなんとかドイツに追い返そうと画策していた。
アルベルトは若い科学者たちを集め、「どの国にも核兵器を使わせない」ために「世界政府」という防衛機構を作ることを提案する。実現のために当時の共産党員と接触してしまうのだが、フーバーが送り込んだ監視官はそれを目ざとくチェックしていた。。。

いっぽうで、アルベルトの長男 ハンスは父と和解はしたものの幼いときにないがしろにされた事を忘れてはいなかった。
ハンスは母ミレヴァと同じく科学の道に進み、末に工学部に入学するのだが、アルベルトは工学を「ただの機械いじり」と嘲笑。ハンスの選択をなじる。それはアルベルトと反目した父親が工学の道に進んだ人物だったからなのかもしれない。。。それ以来、ハンスはアルベルトとの間に距離をおいていたのだ。

ある日、アルベルトのもとには訃報が届く。前妻のミレヴァが亡くなったのだ。
ハンスはその知らせを必死に伝えようとアルベルトに連絡を取り続けていたが、仕事にかまけるアルベルトに報が届いたのは明くる日だった。ハンスは相変わらず家族を顧みないアルベルトに絶縁を叩きつける。

時を同じくしてアルベルトの半生をテーマにした映画「始まりか終わりか」が公開される。アルベルト本人は映画の出来に憤慨し酷評する。そのころからアルベルトは腹部の大動脈瘤に悩まされるようになる。

1950年。
アメリカでは共産党員のあぶり出しが始まり、戦時下において共産党だった若い科学者たちは強制的な免職を余儀なくされる。政府の横暴な措置に憤慨するアルベルト。
アメリカとソ連は軍拡競争を加速させ、国民の人権すら脅かされていることに憤ったアルベルトはテレビ中継で暗に国家とFBIを中傷する。

それを受けたフーバーは激怒、盗聴や違法な手段を用いて何が何でもアルベルトを排除しようと考え始める。

アルベルトは尚も政府の横暴に抗議を続けるが、エルザの死後彼を支えてきた家政婦・ヘレンは彼の行動に危機感を募らせる。それでも年老いて「声を挙げることぐらいしかできない」アルベルトは自身が「正しい」と思う行動をするしかないのだ、と語る。アルベルトは処刑にかけられようとしている共産党員を救うために判事に手紙を出すが、フーバーはそれを盗み出し、アルベルトにスパイ容疑をかける。

アルベルトはそのころから部屋に引きこもるようになってしまう。

1955年。
アルベルトはひょんなことから近所の子供 アリス・エドワーズに数学を教えることになるが、それがきっかけとなって数学・科学の楽しさを思い出す。
物理学者 ニールス・ボーアと再び理論の研究をはじめたアルベルト。かつての資料を漁った際に、前妻ミレヴァの残した手紙を見つけたアルベルトは言葉を失い読み入ってしまう。彼女の死後、息子たちと断絶していたアルベルトだがヘレンはハンスと仲直りすることを勧める。

数年ぶりにハンス、そして孫達と再会を果たすアルベルト。
アルベルトは父親の今際に仲直りしたことを思い出し、ハンスが工学博士になったことを初めて褒める。更にミレヴァの存在の偉大さを語って聞かせハンスト和解に至るのだが、そのときアルベルトの腹部に激痛が走り病院に搬送されてしまう。

自分の死期が近いことを悟るアルベルト。ヘレンに「世話になったね」と挨拶し、3週間後に見舞う予定のハンスを待たずしてアルベルトは息を引き取る。

アルベルトは火葬を望んでいたが遺体は解剖され、その脳は標本として保存されることになる。
ハンスは脳を標本にされたことに憤るが「脳を顕微鏡で覗いても彼が天才だった理由は解き明かせない、脳は物体にすぎない、そこに魂はない」と語る。

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