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【海外ドラマ】ゾンビ・アット・ホーム シーズン1 第1話レビュー

CSチャンネル・AXNミステリーで放送されていた海外ドラマ「 ゾンビ・アット・ホーム シーズン1 」(原題:In the flesh)を観了したので感想がてらレビューしてみます。

ゾンビ・アット・ホーム シーズン1 とは

一度はゾンビ化するも、政府が作った「ゾンビ更生プログラム」により人間に戻って家へ帰ってきた青年キーレンと周囲の姿を描いたBBC製作のドラマ。

死から蘇った愛する人を、もう一度受け入れることができるのか?
蘇った者、受け入れる家族、それぞれの苦悩と葛藤が描かれ、これまでのゾンビ作品とは一線を画すテレビシリーズ!

一度はゾンビ化したものの、政府が作った「更生プログラム」により「部分的死亡症候群(PDS)」として人間界に戻ってきた青年と、彼をとりまく家族や友人などの姿を描き、大反響を呼んだ本作は、人間界に蘇った青年と家族との葛藤、友情や絆といったストーリー展開は、これまで制作されてきた“ゾンビ作品”とは一線を画す内容になっている。

登場人物

キーレン・ウォーカー

ゾンビとなってしまった少年。PDSの治療をうけた後、故郷のロートンに戻ってくる。

演じているのは[actor][name]ルーク・ニューベリー[nname]([altname]Luke Newberry[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm0627639/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2017/02/In-The-Flesh_Kieran_bio-800×450.jpg”][aactor]
イギリスの俳優さん。映画作品では「アンナ・カレーニナ」「ザ・ヘラクレス」などのアメリカ大衆作品から、オランダのコア作品「武器人間」などにも出演。本作で主演を努めた以降は「Death in Paradise」「From Darkness」(日本未放送)などのドラマにもレギュラー出演しています。

ジェミマ・ウォーカー(ジェム)

キーレンの妹。兄想いの妹だったがゾンビに変異したキーレンを兄とは認めたくない様子。
ヘヴィーメタルファン。

演じているのは[actor][name]ハリエット・ケインズ[nname]([altname]Harriet Cains[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm4909365/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2017/02/In-The-Flesh_jemima_bio-800×450.jpg”][aactor]
出演作品はそれほど多くないもののドラマ「Hollyoaks Later」「Safe House」(日本未放送)などでレギュラー出演を務めています。

ビル・マーシー

ゾンビやPDS患者を執拗に敵視する人間義勇軍(HVF)のメンバー。
ゾンビを見つけたらその場で始末してやる、と意気込む。

演じているのは[actor][name]スティーブ・エベッツ[nname]([altname]Steve Evets[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm0263740/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2017/02/Flesh_Ep1_10-800×450.jpg”][aactor]
「アンナ・カレーニナ」「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」などのアメリカ映画をはじめラッセル・クロウ主演の「ロビンフッド」などにも出演。脇役出演が主なようですがドラマ「Rev.」ではレギュラー出演も努めています。

オディ司祭

キーレンの故郷・ロートンの権力者。ビルと同じくPDS患者を良しとはしていない。

演じているのは[actor][name]ケネス・クラナム[nname]([altname]Kenneth Cranham[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm0186469/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2017/02/Flesh_Ep1_11-800×450.jpg”][aactor]
60年台から活躍するベテラン。名作「ベニスの商人」、カルト作「ヘルレイザー2」、ディズニー映画「マレフィセント」とジャンルを問わず幅広い作品に出演されています。

フィリップ・ウィルソン

ロートンの公共事務員。オディの元で働いている。

演じているのは[actor][name]ステファン・トンプソン[nname]([altname]Stephen Thompson[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm5356368/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2017/02/ITF-Philip-bio-800×450.jpg”][aactor]
ドラマ「Jericho」「Stan Lee’s Lucky Man」(日本未放送)などでレギュラー出演中。
ちなみにアメリカに同名の格闘家がいるようですが、彼はイギリス人なので別人です。

ケン・バートン

キーレンの家のお向かいさん。PDS患者の受け入れ反対派の集会に顔を出しているが。。。

演じているのは[actor][name]リッキー・トムリンソン[nname]([altname]Ricky Tomlinson[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm0866870/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2017/02/Flesh_Ep1_20-800×450.jpg”][aactor]
出演作品は多いですが、日本公開作品で有名なものはあまり見当たらず…映画「レイニング・ストーンズ」「プリーチング」「リフ・ラフ」などに出演。

第1話 あらすじ

ゾンビが現実に発生した世界、政府は最新技術によってゾンビを人間にもどす治療法を研究。
その被験者たちは「部分的死亡症候群(PDS)」と称され、人間としての自我を取り戻すことに成功していた。

PDSを研究する医療施設に入院した少年 キーレン・ウォーカーもその被験者のひとり。

自分で考え喋り行動することができるまでに回復していたが、自分がゾンビだったときに人を殺した記憶がフラッシュバックし、その記憶に苦しんでいた。

しかし概ね回復を果たしたと診断されたキーレンは医療施設を出所し、自宅に帰ることを促される。

外の世界ではゾンビを忌み嫌う人達によって人間義勇軍(HVF)なるものが結成されていた。

ゾンビの発生時に結成されたものであり、PDSの施設ができて「ゾンビが人間に戻る」希望が生まれてからは、HVFは徐々に解散の一斗をたどった。しかし一部では未だにHVFを名乗りそれを示す腕章をつけて見せびらかす者たちも存在。

しかし義勇軍の解散によって、それまで優遇を受けていたHVFメンバーは人々に疎まれる存在となっていた。

HVFの残党メンバー ビル・マーシーは、政府が発表した「ゾンビは治療できる」という情報を信じておらず、治療施設から社会に帰還するPDS患者たちを危険視していた。見かけ次第 “対処する” と息巻く。

キーレンの妹・ジェムはHVFの残党に参加しゾンビを忌み嫌いつつも、自宅に返ってくることになった兄・キーレンに複雑な思いを馳せていた。

HVFやPDS受け入れ反対派は集会を行い、政府職員がPDSの受け入れを説得しようとするが住民たちの反感は強く受け入れられることはなかった。

 

キーレンは施設を出る日を前に他のPDS患者たちとグループカウンセリングを行っていた。過去の記憶に苛まれ出所を不安視するキーレン。
薄くいろせた肌は化粧品でごまかし、白濁した目はカラーコンタクトをつけて、人間社会にまぎれこむのだ。

キーレンと共に出所することになった少年・アレックスは、「出所者が人間に襲われている」という噂を耳にする。
キーレンは「ただのウワサだ」と語るも、心配そうなアレックス。彼は「出所したら観てみろ」と言い添え「不死の預言者」というウェブサイトのアドレスをキーレンに教える。

入所患者たちは定例の投薬時間を迎える。
診察室へ向かう途中、キーレンはアレックスが何かの薬を吸引する光景を目撃。それからアレックスの様子がおかしいことを危惧する。

予感は的中、診察を受けていたアレックスは急に暴れだし医療スタッフを襲う。
銃を持った兵士に取り押さえられるアレックス。キーレンは彼を心配するも診察室から退去させられてしまう。

出所を迎えたキーレンだが、同じく出所するはずだったアレックスの姿はもうなかった…。

キーレンの両親 スティーブとスーは出所したキーレンを迎えにやってくる。支給された化粧品とカラコンによって見た目を整えたキーレンは久しぶりに両親と対面を果たす。彼の元気そうな姿をみたスーは感激のあまり泣き出し、スティーブも驚いた様子。

キーレンの自宅があるロートンでは未だにHVFの残党が闊歩、両親は帰宅するキーレンのことを考え家を売って別の土地へ移住も考えたが、HVFがうろつく地域の家はそうそう簡単には買い手が見つからなかった。。。

 

帰路につくキーレンと両親は、反対住民の集会参加者と遭遇してしまう。キーレンを観られたら危険、と焦り彼を後部座席でかがませてその場をやり過ごした。

こっそりと自宅にやってきた一行、キーレンは外の世界ではPDS患者が受け入れられていないことを目の当たりにする。

キーレンが戻ったこと知った近隣住民のシャーリーは、PDSの抑制剤の投与訓練を受けており、キーレンの両親にその手順を教える。さらに「法律で義務付けられている」と前置きしてスタンガンをスーに渡す。「違法な薬剤が流通している、もしキーレンが青い薬を飲んでいるのを見たらすかさずスタンガンを押し当て通報しろ」と。

ロートンではハロウィンの催しが企画されていたが、シャーリーの息子・フィリップは「本物の化物がいるのに、ハロウィンなんて」と否定的。ロートンの権力者であるオディ司祭も「帰還したPDS患者」を危険視しており、フィリップの意見に同調する。

シャーリーはフィリップにPDS患者の支援をしていることを黙っていたが、シャーリーの行動を怪しんだ司祭は、その事実をフィリップに話してしまう。

母親の愚行を疑うフィリップは、シャーリーのPCを盗み見る。そこに「ロートンのPDS患者」とネームされたファイルを見つけ、母がPDS支援に加担している確証を得てしまう。

キーレンの家には妹・ジェムが帰宅するが、彼女はゾンビとなった兄を受け入れようとはしなかった。再び妹に会うことを希望にしていたキーレンはショックを受け部屋に引きこもってしまう。

キーレンは眠りにつき悪夢にうなされる、目を覚ますとジェムが立っていた。
彼女はキーレンが本当に兄かどうかを疑い、兄しか知らないはずの話をしろと要求する。キーレンはジェムの好みや過去の思い出を話してきかせる。

話を聴いたジェムは、彼がキーレンであることを確証するが、同時に兄がゾンビになってしまったことを実感しやるせなさをぶつける。

キーレンはアレックスから受け取った「不死の預言者」のウェブサイトを回覧する。

サイトでは覆面の男が「ゾンビたちは神の祝福を受けて蘇ったのだ」と演説する動画が配信されていた。

オディ司祭はシャーリーが持っていたのと同じPDS患者リストを入手、HVFのビルを焚き付けて、ロートンに戻ってきたPDS患者たちを皆殺しにすることを決意する。

HVFメンバー間でその情報が無線で共有されると、外出していたジェムは「兄が狙われる」と危惧、あわてて家に帰る。

ジェムはキーレンの在宅がHVFにバレたことを伝え、スティーブとスーは慌てて武器を手に取る。キーレンの自宅はHVFに包囲され、何が起きているのかわからないキーレンをジェムが部屋に匿う。

しかし、包囲されたのはキーレンの家ではなくお向かいのケンの家だった。
彼の家からは、同じくPDS患者となったケンの妻・マギーが連れ出される。路上で跪かされたマギーは銃を向けられコンタクトレンズを外すように共用される。

レンズを外した彼女の目は人間のそれではなく、僅かに湧いた同情心をそれで振り払ったビルはマギーを射殺する。

部屋の窓から一連の出来事を眺めていたキーレンは衝撃を受け立ちすくむ。

ビルが仕事を終え家に帰ると、政府関係者が訪れていた。
マギーの私刑を咎められるのかと思いきや、従軍によって死んだと思われていた息子・リックの知らせが届いたのだという。
アフガニスタンで見つかったというリック、「生きていたのか!」と感激するビルだが、「(生きていたのは)部分的に」と告げられ表情が一変する。(ゾンビ化していた、という意味)

感想&あとがき

[rating]

「ゾンビの人間性」や「ゾンビにも心がある」という設定は、映画「ウォーム・ボディーズ」などでも起用され、切り口としてはもはや斬新さはないのですが、”人間性のあるゾンビ” はコミカルタッチに仕上げられることも多い中、シリアス仕立てなのはなかなか惹き込まれる。

得体の知れない相手に対して「なんだかわからないから怖い」「なんだかわからないけど怖い」という愚かしくも共感できてしまうところに、少し考えさせられる部分も。。。
とくにビルがマギーを射殺するところは、同じような姿をしているとためらってしまうから、あえて “違い” を見つけて殺す理由を探すような行為はすごく象徴的に感じてしまいました。

深読みし過ぎかもしれないけど、人種・宗教・セクシャリティなど様々な差別問題について取り上げた作品はありますが、これもそういう問題提起のオマージュのように感じられてきてしまうほど(あくまで個人的な感想だけどね)。

 

ウォーキング・デッド」や「バイオハザード」などのクリーチャーの精度にこだわった作品に比べると低予算感は否めないけど、ストーリー性の部分に魅力を感じるので、いわゆる「ゾンビ物」好きな方よりも、ちょい重めなテーマのドラマが好きな人は観てみるといいと思います。

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