念能力について
フェイタンの念能力の系統については原作中に明示されているものはありませんが、ハンターズガイドには「変化系」能力者であることが記載されています。
ヒソカの能力別性格診断でいうなら、変化系は「気まぐれで嘘つき」…しっくりきます。
そんなフェイタンの戦闘シーンはヨークシン編とキメラアント編で描かれています。ヨークシン編では、手刀でマフィアの首を狩るシーンがあり、ハンターズガイドではこれについて言及しています。
鋭い手刀で敵の首をはねることから、変化形と相性の良い強化系の技も習得しているようだ。
強化よりの変化系ということでしょうか?しかし、ザザン戦で見せたフェイタンの能力・許されざる者(ペインパッカー)はどちらかといえば強化系要素は高くないように思われます。
許されざる者(ペインパッカー)
能力名「許されざる者」の由来は、おそらく92年製作のクリント・イーストウッド監督・主演のアメリカ映画「許されざる者」から。
ガンマンを主役にした西部劇ですが、仲間を殺され復讐に燃える主人公、しかし本人もガンマンですから誰かを殺しているわけで、何が「悪」であり誰が「許されざる者」なのか、というニュアンスがテーマの映画です。フェイタンにとっての「許されざる者」は間違いなく「敵」のことでしょう。
※1 2003年と2013年に同名の邦画が制作されていますが、前者はこの作品に関係性はなく、後者は92年製作版のリメイクです
※2 さらに1960年にオードリー・ヘプバーン出演の同名作がある模様。こちらも西部劇ですが内容は別物です
能力の内容を直接的に示唆している二つ名「ペインパッカー」ですが、その名の通りペイン(痛み/英:pain)をパッカー(梱包する者/英:pucker)する、つまり「痛みをまとめる」を表現しています。
「もう燃料切れ」「もう少しワタシにダメージ与えてればもと楽に死ねたよ」というセリフから、相手からのダメージを蓄積し「痛みをまとめて」反撃する準カウンター型の能力だと思われます。
ザザン戦では「灼熱に変えて」「太陽に灼かれて(ライジングサン)」という表現から蓄積したダメージを熱に変えて反撃したようですが、フィンクスの「おそらく今回使うヤツに巻き込まれたら…」というセリフ、そしてそこからカルトが察したように、熱の他にも反撃のバリエーションがあるのでしょう。
作中の言動から読み取れる念の特徴としては下記があげられます。
- 怒って発動する(発動条件/フィンクスのセリフより)
- バリエーションが複数ある(フィンクスのセリフより)
- 範囲が広い(フィンクスのセリフより)
- ダメージを蓄積し反撃する(能力名、フェイタンのセリフより)
- 変化、具現化の要素あり(描写より推測)
蓄積したダメージ分のオーラを熱の性質へ変化させて放っているものと推測しますが、この性質変化に複数のバリエーションがあるのかもしれません。
(たとえば雷や冷気など)
また、能力発動時に装束を具現化して身にまとっているため少なからず具現化要素を含んでいると思われます。が、「太陽に灼かれて」を見る限りでは、能力の性能そのものには装束はあまり意味をなしていないようにも思えます。
(或いは熱に変換したオーラは自分を含むすべてに作用して燃焼するため、自らの身を守るための防具として具現化している、とも考えられます)
そう考えると、「許されざる者」むしろ具現化よりの変化系であるとも思えます。
ただし、気になるのはフィンクスの言った「範囲が広い」という点。
変化系、具現化系ともに放出系要素を不得意としており、広範囲や遠距離をカバーする能力は不向きなはずです。旅団員ということを考慮に入れ、念能力者としてのポテンシャルが極めて高いと仮定しても腑に落ちません。
落とし所として考えつくケースは
- 強化よりの変化系能力者であり、放出要素も多少得手で範囲性が高い。
具現化された装束はあくまでポーズで、特別な効力を持たず自らの防御性も高めてはいない。 - 具現化よりの変化系能力者であり、放出は苦手。
それなのに範囲性能にメモリーを消費したため、本来の性能より攻撃性が劣る。
(それでも念能力者としてレベルが高いので強いことには変わりない)
と、いうケースを思案した。うーん…自分で考えておいてなんだが、フェイタンがカストロと同じミスを犯すとは考えにくい。そのため筆者はこう結論づけることにした。
フェイタンは強化よりの変化系能力者であり、具現化された装束には特殊な効果はない。もしくは装束に特殊な効果があると過程する場合(or バリエーションによって効果発現の有無がある場合)、誓約や発動条件によって枷を課している、のではないか。
ーと、考えられるのだがいかがだろうか。
団員ナンバー と “蜘蛛”
原作中においてフェイタンの団員ナンバーは不明である。(2015年現在)