【映画レビュー】ボルベール〈帰郷〉を観てみた【ペネロペ・クルス主演】

ボルベール <帰郷>

イレーネとパウラの出会い

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その頃、姉・ソーレとともに暮らし始めた死んだはずの母・イレーネ
自宅で美容室を営んでいたソーレの助手として働くことに。髪を黒く染め直すと見違えるように健康的なおばあさんに。正体を明かさないために、言葉の通じないロシア人女性と偽り働き始める。

髪を染めたイレーネは最初の印象とガラリと変わって健康的。ぱっと見、フジ◯ヘミングみたいです。

ライムンダとパウラがやってくるも、母の事は打ち明けられず(口止めされてる?)。イレーネはベットの下に潜り込んでやり過ごす。

ところがイレーネが亡くなった叔母の持ち物を、トランクに詰めて持ってきていたのを、ライムンダが偶然見つけてしまう。ライムンダは葬儀に乗じて姉・ソーレが盗んできたのだと勘違いして憤慨。パウラを連れて飛び出していってしまう。

ソーレは妹に勘違いされたわ…と落胆。イレーネも申し訳無さそうな複雑な表情。

 

依然レストランは繁盛している模様。

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姉・ソーレは叔母の持ち物を持ってライムンダの元を訪れる。「盗んだわけじゃない…」とだけ釈明しライムンダも「言い過ぎたわ…」と仲直り。

おいおい、あっさりすぎやしないかい?仲直り…。

客のひとりがギターを奏で、歌のうまいライムンダは客前で歌を披露することに。それを見守るソーレとパウラ。ソーレの車に同乗してきていたイレーネも、車の中からこっそりそれを眺める。

料理の評判は上々、売上を受け取り上機嫌。
そこへ叔母の隣人・アグスティナから電話が入る。話があるから来てくれ、と。明日も料理の準備があるからと断るが、自分は癌だということを打ち明けるアグスティナ。断り切れないライムンダは娘・パウラを姉・ソーレの家に預けて病院へ向うことに。

正直、料理の正体が気になってストーリーどころじゃない…。

死に際でいろいろぶち込んでくるアグスティナ

病院をおとずれたライムンダ。
病床のアグスティナにお願いごとをされる。

アグスティナの母は数年前に失踪。どうやらライムンダの父(イレーネの夫・火事で死亡)と不倫していた過去がある。
アグスティナが察するに、イレーネは火事で死んでおらず、父と一緒に火事で死んでいたのはアグスティナの母親ではないか…?という疑問をもっていた。そしてイレーネはどこかで生きている、生きているなら事の真相を本人の口から聞きたい、みたいなニュアンスの話。

話がめちゃめちゃぶっとんでる!

アグスティナは件の話をテレビ番組に出て話すつもりだという。泣きながら怒り、混乱するライムンダ。
病室を飛び出す。

 

その頃、姉・ソーレの家に預けられた娘・パウラ。
会うべくしてというシーンか、ここで祖母・イレーネと孫・パウラが出会うことに。

そこへライムンダが迎えに現れる。
ベットの下に隠れるイレーネ。しらんふりをするパウラ。

後日、アグスティナが予告通りテレビ番組に出演する。ライムンダとソーレ、パウラが番組をみまもる。アグスティナは良心の呵責が働いたのか(不倫していたのは自分の母でありライムンダに対して半ば脅すようなセリフを吐いたため)、番組ではなにも語らず番組収録から去る。
それを観て安堵したライムンダ達。なんやかんや会話があってイレーネはベッドの下から出てくる

死んだはずの母を前にして涙を流し、言葉にならずパウラを連れて飛び出すライムンダ。
イレーネはそれをみて「あの子は私を拒否しなかった」と感じたようだ。

なんで?拒否したっぽくも見えたんだけど…

細かい設定の話がいろいろ続くけど、
要は不倫親父とアグスティナ母がイチャコラしてるのを目の当たりにしたイレーネは、火をつけて二人を火事扱いで殺害
さらにこの好色親父は幼き日のライムンダも犯していた。それによって身ごもったのが娘・パウラ。(パウラはこの事実を知らされていない)
娘を守れなかった不甲斐なさを恥じているイレーネ、そしてライムンダが夫・パコが死んだ経緯を打ち明け、自分も娘を守るという立場で、なんとな〜く意気投合(?)する。

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加速度的にエンディングへ

このあとの結末展開がご都合主義にもとれるスピード感で、なんといったものか…。

まず、結論。

料理にパコは入ってなかった!

まあ、明示的にそんな猟奇要素は示されていなかったんだけど、制作側の意図としては少なからずそういう路線をイメージさせようとしてただろうな…って感じ。

遺体は当初の冷凍庫に入ったままでした。
レストランで設けた金を信用できる友人に払い、死体の隠蔽を図ります。大型バンを借り冷凍庫をのせて夜通し運転。
友人と川岸に穴を掘りそこに冷凍庫ごと埋めてしまいます

ライムンダ、ソーレ、パウラ、イレーネの4人で、死んだ叔母の家で夕食を囲む和やかなひととき。とても死体を埋めた夕餉ではない…。

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なぜ叔母の家にやってきたのか?
それはイレーネの思惑。死期迫るアグスティナの病床をつきっきりで看病しようと思いたったのでした。母を焼き殺したせめてもの償い、と考えているようです。
(アグスティナは死んだ叔母の隣人であったため家が近い)

アグスティナの家の扉をたたき中に入るイレーネ。
イレーネをみて驚く様子もないアグスティナ。アグスティナは予想していたとおりだった(彼女は生きていると思っていた)からでしょうか。彼女をベットに寝かしつけ編み物をはじめるイレーネ。
そこへライムンダもやってきます。「ほんとに看病する気なのか。もっと話したいことがいっぱいある。」と告るもイレーネはアグスティナの最後の時まで看病すると伝え、本編終了。

最後の展開がスピーディーに進みます。死体遺棄から仇の受け入れまで。死期迫り弱っているとはいえイレーネを迎え入れるアグスティナは度量デカすぎでしょう。。