8月19日から映画「傷物語〈Ⅱ熱血篇〉」が公開されるにあたって、その前篇「 傷物語〈I 鉄血篇〉 」のDVDを購入したのでレビューしてみます。
西尾維新原作の「物語」シリーズの原点となる部分が描かれた本作。シリーズファンにとっては「待望の」といったところでしょうか。
「傷物語」を見るまえに
「化物語」をはじめとした「物語」シリーズのファンの方には不要かもしれませんが、あんまりよく知らない方のためにおおまかな物語の要素をおさらいしてみましょう。かくいうボクもアニメシリーズはひととおり観てますが、にわかファンなのできっちり時系列などを把握していなかったので、ちょいと整理。
西尾維新原作の小説がもとになっている作品で、テレビアニメやOVAなどでシリーズがアニメ化されています。
主人公の高校生・阿良々木暦(あららぎこよみ)を中心にその周りで起こる奇妙な事象、通称「怪異」にまつわる出来事を日常劇に絡めながら展開する作品です。戦闘シーンがありつつも所謂バトル漫画ではなく、萌えやお色気要素を含めつつも萌え豚アニメというわけでもなく。
西尾維新のまどろっこしさすら感じる特徴的な書き口をそのまま再現していることもあってアニメにして文学的にも感じられる作品です。
全編とおして阿良々木暦を中心とした世界観を一貫しており、シリーズすべての作品が時系列をバラバラにしてひとつの時間軸でつながっています。いうなればスターウォーズのエピソード4〜6が先に放映された、みたいなアレです。
シリーズ作品はそれぞれ「◯物語」と冠され「物語」シリーズと称されています。
本作「傷物語」は物語シリーズのいちばん最初の部分、阿良々木暦が怪異にさらされるきっかけとなった出来事が描かれた部分です、ファンの間では長いこと作品化が待ち望まれていた部分でして「ようやく」の映像化といったところでしょう。(厳密にいうと「傷物語」の時系列よりも前の部分が描かれている作品があるのですが。。。詳しくはwikipedia)
傷物語は全3部作の劇場版作品として公開される予定で、今年1月に第1部「傷物語〈I 鉄血篇〉」が公開。7月末にDVD/ブルーレイが発売されました。
そして、今月の8月19日より第2部「傷物語〈Ⅱ熱血篇〉」が公開されます。
傷物語〈I 鉄血篇〉 登場キャラ
では本作の登場キャラを予習。
阿良々木暦(あららぎこよみ)
シリーズ通した主人公。男子高校生。とある事件をきっかけに身の回りで「怪異」をほったんとした事件がおきはじめる。
羽川翼(はねかわつばさ)
阿良々木暦のクラスメイトで学級委員長。巨乳、おさげ、メガネとヲタ受け要素バッチリの女の子。
本作では冒頭でちょびっと出ただけ。
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード
阿良々木暦が怪異にさらされるきっかけとなった張本人。500歳を超える女性の吸血鬼。元は金髪グラマーな大人の姿だが、とある事情から幼女の姿に変わる。
ドラマツルギー
キスショットに深手を追わせた人物のひとり。本作で初登場だが本作ではワンシーンのみの登場。
エピソード
キスショットに深手を追わせた人物のひとり。本作で初登場だが本作ではワンシーンのみの登場。
ギロチンカッター
キスショットに深手を追わせた人物のひとり。本作で初登場だが本作ではワンシーンのみの登場。
忍野メメ(おしのめめ)
阿良々木暦とキスショットに手を貸す謎の男。怪異の専門家。物語シリーズでも度々登場している。
傷物語〈I 鉄血篇〉 あらすじ
阿良々木暦はクラスメイト・羽川翼のパンチラを目撃。それがきっかけでそれまで話したこともなかった羽川と阿良々木は友だちになる。
目撃したパンチラシーンが頭から離れない阿良々木暦はその因る、エッチな本を求めて本屋へと出かける。目的のモノを入手し帰る折、地面に点々と残された血痕を見つけ、そのあとをたどり地下鉄のホームにたどりついた阿良々木暦。そこには血まみれで横たわる金髪の美女が…。
倒れていたのはキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード、500年を超えて生き続けている吸血鬼。彼女を追う追手に深手を負わされ四肢をもがれた彼女は瀕死の状態。阿良々木の血を吸うことで生きながらえることが出来ると説明し阿良々木に求めるが、阿良々木はこれを拒否して逃げる。
それまで終始高飛車な口調だったキスショットだが、阿良々木が自分を助けてくれないことを悟ると取り乱し涙ながらに懇願する。一度は逃げ出した阿良々木だが、何を思ったか自責の念にかられ、再びキスショットの元に舞い戻る。そして自身の死を覚悟して、彼女に血を吸わせるのだった…。
死んだと思っていた阿良々木が再び目を覚ますとそこは塾の廃墟。となりには見慣れない幼女が眠りこけている。この幼女こそ先の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの成れの果てだった。
四肢を失ったキスショットは阿良々木の血を吸うだけでは完全に元の姿に戻ることができず、ひとまず幼女の姿に再生し、阿良々木を眷属(けんぞく)として従者にし生かすことに決めたようだった。眷属として阿良々木に果たさせたい使命はひとつ、自身に深手を追わせた3人の人物を倒させること。
それがドラマツルギー、エピソード、ギロチンカッターの3人である。それぞれが吸血鬼を倒さんと使命感をもっており、自身が吸血鬼になってしまったことと3名と戦わなければならなくなったことに困惑する阿良々木。
それぞれ1人ずつと戦えば勝てる、というアドバイスを元にそれぞれ対峙しようとするが3人に囲まれるカタチでピンチを迎える。そこへ現れた謎のおじさん・忍野メメ。3人を払いのけ阿良々木を助け、キスショットと阿良々木暦、忍野メメの3人で話すことに。
忍野は「怪異」とよばれるオカルトの専門家。
阿良々木暦が人間に戻るために助力することを約束する。ドラマツルギーら3名がキスショットからうばった四肢を取り返せば、キスショット自身が力をとりもどし、、阿良々木を人間にもどすことも可能になる、ということだ。
本作「鉄血篇」は、忍野メメが協力を申し出たところまでで終了する。
あとがき
[rating]
作画はテレビアニメ版とはだいぶ違う印象のタッチ。
冒頭の阿良々木くんの顔とか全然ちがく見えますね。忍野が登場した吸血鬼ハンター達の攻撃を防いだシーン、まったく同じシーンが「化物語」冒頭の回想シーンとして既に登場していましたが、この部分は劇場版用に作りなおされていてなかなか見ものでした。
ただ、3部作構成になっていると事前にわかっていましたが、続編ありきの終わり方というか、長編アニメをブツっとぶったぎった感じの構成になっていたのはちょっと驚きでしたね。本作1本がまるっと導入の導入という印象すらうけました。う〜ん。。それでも見ちゃうファン心理というか。
DVDだと手元に残るからそれだけでもファン欲求は満たされるんだけどこれ劇場でみたらちょっと不完全燃焼感が残ったかもしれませんね。。
とはいうものの、第2部・傷物語〈Ⅱ熱血篇〉への布石感は充分で俄然楽しみになりました!
本作ではワンシーンしか登場しなかった3人の吸血鬼ハンターたちも第2部ではメインで登場してきそうですね。いよいよバトル展開か?
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