【映画レビュー】天国からの奇跡 を観てきた

天国からの奇跡

週末に観てきた映画のレビューをひとつ。「 天国からの奇跡 」です。あらすじを交えてレビューしたいと思います。さきに行っちゃいますが、とても良かった!大の男がひさしぶりに映画館で涙ながして観てしまいました。笑

こちらの映画は先日、レビュー記事を投稿した映画「復活」と併せて3部公開されているクリスチャン映画の第2作目になります。(3部といっても連作ではなくそれぞれ独立した作品です)
ちなみに「復活」のレビュー記事はコチラ。

【映画レビュー】復活 RISEN を観てきた

実話を元にした “奇跡”

配給のソニー・ピクチャーズ主導での企画「クリスチャン映画3作品連続公開」というキャンペーン(?)で公開されている第2弾映画です。

クリスチャン映画3部作

それは─ 小さな命の、大きな『奇跡』。全米を涙で包み込んだ、心揺さぶる《真実の物語》が遂に映画化!

小さな田舎町で暮らす少女アナは、幼い頃から重い消化器疾患を患い入退院を繰り返していた。母クリスティは遠方の大病院へ診察を頼み、やっとのことでアナは入院するも、治療の方法がなく自宅に戻る。一方、二人が留守にしていた間、夫や姉妹との間にも亀裂が生じていた。そんな中、アナが庭の大木から落ちてしまう事故が起こる。幸い一命を取りとめたが、彼女の身にある驚くべき“奇跡”が待ち受けていた。

オフィシャルサイト より

実話が元になっている作品で、映画のラストに登場人物たちのモデルとなった本人の映像が登場する。
そこまで観て思ったことだが「これ…ホントにあった話なんだ…!」と再認識させられ、なんだか表現しがたいゾクゾクがこみ上げてきたのを感じました(後述します)。

クリスチャン映画と銘打ってはいるものの宗教的な部分がすごく強いかといえば、そうでもない。
前回観た「復活」の際も同じく感じたけれどモチーフにキリスト教やクリスチャンが描かれている、といった程度で聖人のような道徳観をもっていなくても理解できるお話に仕上げてくれている。
無論、教会や神に対する表現は出てくるのだが、そもそも日本では「毎週教会に通う」っていうクリスチャン的な習慣にあまり馴染みない人も多いはず。幸い海外ドラマや映画の習慣描写として普段から慣らされていることもあって、ボクは別段なんの不自然さもなく受け入れられました。

アナベル役の カイリー・ロジャース がスゴい!

主演の[actor][name]ジェニファー・ガーナー[nname]([altname]Jennifer Garner[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm0004950/”][image urls=”//motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/06/169905_7.jpg”][aactor]にあんまりピンとこなくてwikiでみたら、マーベル作品の「デアデビル」に出演していた模様。言われてみると、あ〜なんとなく思い出せるけど他ではほとんど見たことないなあ。。それよりwikiに書いてあった、ベン・アフレックと結婚してたって事に驚いた。

ジェニファー・ガーナーとカイリー・ロジャース

本作はジェニファー演じる母・クリスティを主役として物語が展開していきますが、この作品でなにより目を引くのは彼女の娘・アナベルを演じる[actor][name]カイリー・ロジャース[nname]([altname]Kylie Rogers[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm4814017/”][image urls=”//motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/06/jennifer-garner-miracles-from-heaven1-1024×537.jpg”][aactor]の演技力…!
3人いる娘の中でも、もともと思慮深く賢い設定ではあるのだが、病気になってからの痛みや苦悩の表情、母や他人を気遣う仕草、エンディングにかけて幸せあふれる表情など、すごくすごく良い演技をしているのだ。

数年前ダコタ・ファニングが台頭してきた頃に演技派子役として広く紹介されていたが、それに負けない衝撃があった。すごく良い演技をしていたと思う。まだ出演作もドラマがメインで広く知られていないせいなのか、演技力に言及した記事をほとんど見かけないけど、彼女は今後要注目株なのでは…?!

 

ちなみに海外ドラマ「見えない訪問者〜ザ・ウィスパーズ〜」にも出演しています。こちらのレビュー記事もあるので、興味ある方はぜひ。

【海外ドラマ】見えない訪問者 ~ザ・ウィスパーズ~ 第1話「Xの印のある場所」レビュー

天国からの奇跡 あらすじ

田舎に暮らす、ビーム一家。
獣医の夫・ケヴィンは一念発起して全財産をつぎ込んだ動物病院?(病院というか農場っぽいのは田舎だからなのか?)を開業します。一緒に暮らすのは妻・クリスティと3人の娘たちと犬に馬にブタにヤギ。毎週教会に通う敬虔なクリスチャン一家。幸せを絵に描いたような家族風景です。

天国からの奇跡 天国からの奇跡

お姉さんとおてんばな妹とは対照的に、次女のアナベル(通称アナ)は子供らしいあどけなさとしっかりした大人ぽさの同居する優しい女の子。寝る前に本を読むのが好きで、母が夢を尋ねると「水族館に行きたい」と嬉しそうに答えて眠りにつきます。

ある夜、激しい痛みと嘔吐で起きたアナ。心配になった両親は病院を連れ回しますが、原因がわからずいくつもの病院をハシゴします。そこここで乳製品のアレルギーや炎症などと診断されるもクスリは効かず、アナは痛みに泣き、お腹が膨らんで戻りません。娘の異常を感じたクリスティは医者に向かって涙目で怒鳴り「ちゃんと診断してくれ!」と訴えます。

天国からの奇跡

その甲斐あってか原因が判明するも、それは家族にとってショッキングな事実。アナは治療困難な難病に侵されていました。愕然とし「なぜ…」と神に問いかけるクリスティ。
教会で信仰にすがろうとするも他の信者たちに「不幸が訪れたのは悔い改めるべきことがあるからだ」と責められる結果に…。怒りとやるせなさが溢れます。父親は子どもたちに感づかれまいと激昂するクリスティを抑えますが、子どもたちは見ぬいていた様子。
病院から難病治療の権威を紹介されますが、当の医者は予約でいっぱい連絡すらとれません。「このままではアナが死んでしまう…」クリスティは思い立ったように予約もとらずボストンの医者のもとにアナを連れていくことを決意します。

もちろん予約がないので、受付で「通せない」とつっぱねられます。
涙ながらに必死に娘を助けたいと訴えますが、受付の女性は困惑するばかり。ひとしきり訴えたあと諦めるように病院をあとにします。レストランで途方にくれるクリスティ、かたわらのアナがコップに手を伸ばし水をこぼしてしまいます。それをみて悪態をつく店員。するとすぐさまフォローに入ってくる別の黒人女性の店員・アンジェラ
陽気な彼女の励ましの言葉に和まされ、翌日ボストンの街を観光案内してもらうことに。

天国からの奇跡

終始陽気にふるまうアンジェラ。ここまで暗い表情が多かった二人に笑顔が戻ります。そこに母・クリスティの電話がなります、予約の空きができたので医者がみてくれることになったのです。

医師・ナルコは真摯に対応し、すみずみまで検査し対応を考えてくれます。しかし治療は困難を極め、金銭的にもかなり負担が多いことを知らされます。それでも娘を治したいと願うクリスティは、夫が獣医病院に全財産をつぎ込んでしまったことを責め喧嘩してしまいます、信仰すら失いつつあるようなニュアンスを夫は感じとりますが、それでも子を思う気持ちは同じ…なんとか治療費を捻出し、クリスティはアナと2人ボストンで治療に専念することに。

病室でとなりになった癌患者の少女・ヘイリーと仲良くなったアナ。クリスチャンの家の子故か「死を怖がる必要はない」とヘイリーを励ましますが、無宗教派のヘイリーの父親は「余計なことを言わせるな」と嫌煙したような態度をとるのでした。

治療は続いていますが、なかなか思うような結果は得られません。長く先の見えない治療と、緩和されない痛みにアナも次第に弱気になっていき、「死んでしまいたい」と母に告げます。涙するクリスティ。アナもクリスティも限界が近づいていたのでしょう…。

いっぽう、長いこと2人に会えていない父と姉妹2人はボストンに会いに行くことに。しかし治療費捻出のために切り詰めた家計では、航空代を払うのもやっと。父・ケヴィンのクレジットカードはどれも不渡り、途方にくれるケヴィン。「早く行かないとアナが死んじゃう…」とせかす妹。それを聞いてしまった空港の受付係はビミョーな表情…。手持ちの最後のカードを通した瞬間、発券の機械が故障。故障では仕方がないので事後請求というかたちで、ラッキーにも航空券を手に入れることができたのでした。

治療につかれきった2人のもとへ家族が到着。ひさびさの再開に喜ぶ家族。その後いったん家に戻り在宅治療を続けることに。

天国からの奇跡

家に戻ったアナ、姉妹たちは励まそうと庭での遊びに誘います。元気な頃は木登りばかりして「おサルさん」と呼ばれていたアナはひさしぶりに姉とふたりで木にのぼります。
あたりの景色を見渡した次の瞬間、二人がまたがった太枝に亀裂が入り、木から落ちそうになります。急いで降りようとする2人。2人が登ったその老齢な木はそこここにガタがきていたのでしょう、幹の中も腐って空洞になっていたため、木から降りようとしたアナは高さ10mある幹の中の空洞に落ちてしまいます。
姉が声をかけても返事はなく薄暗い幹のなかで逆さまになったまま動けないアナ。

救助隊や救急車、マスコミや野次馬が集まり辺りは騒然。これまでギリギリの精神状態をやってきた母・クリスティは泣きながら樹の幹にすがるように崩れ込み、ただただ娘の無事を神に祈るしかありませんでした。そこにケヴィンが寄り添い同じように祈り、娘達やご近所さんも後につづきます。周りで見守る救助隊員も一緒に祈る中、救出されたアナは…生きていました!

病院に運ばれたアナは奇跡的に軽傷のみ。医師もびっくり、両親もびっくり。ふたたび家に帰り生活をするなかで、アナは鎮痛剤を飲まなくても痛がらないようになっていました。
いつのまにか膨らんでいたお腹もぺったんこになっています。不思議におもったクリスティ、アナにたずねると「彼がだいじょうぶだって…」とひとこと…。

天国からの奇跡

ナルコ医師のもとにおとずれ検査結果を観てみると、アナの病気は完治してしまっていたのでした。
人、神すべてのものに感謝し、ふたたび教会を訪れたクリスティと家族たち。この奇跡について感謝の意を語ると、そこでも心ない「やっかみ」の声をかける人がチラホラ。「もともと病気じゃなかったのでは」「他人の注目をあびたくて仕組んだのでは」とかね。

するとひとりの男が声を上げます。
それは病院でアナと仲良くなった少女・ヘイリーの父親でした。アナの回復をニュースでしり教会を訪れた彼は、ヘイリーは亡くなったが臨終の時は死を恐れていなかったということ、それはアナのおかげだということ、アナは実際に病気で苦しんでいたということを語りクリスティを援護してくれたのでした。

 

実は…というかたちで、本編最後であかされるのは、アナたちのために動いてくれた人達のやさしさ。
病院で予約がないからとつっぱねた受付の女性は実は自ら医師ナルコにアナの診療を打診してくれていたり、アンジェラはアナとクリスティを励ますため翌日の仕事を休んで敢行につきあってくれていました。ケヴィンがラッキーで航空券を手に入れられたのも、実は受付の人が自ら発券機の電源をきり「故障のため…」と嘘をついて発券してくれたのでした。たくさんの人のやさしさに支えられて家族は苦難を乗り越えられたのです。

物語はハッピーエンドで幕を閉じ、この話のモデルとなった本物のアナベル・ビームや家族たちのホームビデオがクロスします。
劇中のアナと比べるとちょっとふっくらした印象の彼女。元気になって健康的な生活をおくっている証拠かもしれませんね。実際に彼女が落ちた老木も映しだされ、この物語がただの創作でないのだ、ということを最後に再認識させられます。