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【音楽レビュー】女王蜂VS獄門島一家 の 金星/死亡遊戯 を聴いてみた

GW気分が抜けずTHE五月病状態が続いています。
そんななかで個人的にリリース前から楽しみにしていた音源がリリースされたのでレビューしてみようと思います。
女王蜂VS獄門島一家『金星/死亡遊戯』です。

強烈な個性のバンド “女王蜂”

女王蜂ってバンドをご存知でしょうか?

※写真はデビュー当時のもの、現在のメンバーとは若干名違います

神戸出身、2011年にメジャーデビューしたバンドなんですが見た目からして強烈な個性
森山未來主演の映画「モテキ」の主題歌にもなったので曲は聴いたことある、って人は多いかもしれません。

かくいうボクも、メジャーデビューをキッカケに聴くようになったクチですが、個性的すぎるが故の中毒性があるというか、変えの効かない存在であることは間違いないなあ、と。
いろんなベクトルで個性的なバンドって、世の中にいっぱいいると思うんだけど、女王蜂のソレは他の追随を許さない感がある。

曲が特別、個性的か?というとおそらくルーツとなるジャンルやアプローチは多々存在しているモノだろう。けれど、それをうまいこと若い世代にも聴いてもらえるようにアレンジしてる。そしてインパクトも失っていない。
このバンド自体も中々の逸材だし、このバンドを見つけてきたレコード会社もようやった!って感じだ(何様だよ←)

衣装からPVに至るまで、異彩をはなつアートワーク全般はメンバーのアヴちゃんの自己プロデュース。彼女のセクシャリティにも曖昧な謎めく部分があって、意図してかせずか、それがいい具合に妖艶に個性的に効いている。

2014年に活動休止から明け、活動再開してからは単純な個性押しだけじゃなく、音楽性や露出の仕方が歩み寄ったように感じたものだ。なんていうんだろう、刺々しい送信オンリーな表現活動から一段ステップアップしたように見えた。

獄門島一家 とは?

今回のシングルは、そんな「女王蜂」と「獄門島一家」のスプリットシングルだ。この 獄門島一家 とは一体何者か?

獄門島一家は女王蜂のボーカル・アヴちゃんが率いる別バンドである。
メンバーはギターに長岡亮介、ベースにKenKen(RIZE)、ドラムに中村達也という面々。

ギター・長岡亮介

ギターの長岡亮介氏はペトロールズというバンドでVo&gtもされている。
この方「浮雲」という別名で、椎名林檎率いる「東京事変」でギターを弾いていた「浮雲」その人である。

ベース・KenKen

ベースのKenkenは本名・金子賢輔。
「RIZE」のベースとして活動していることは有名かもしれない。この人も超個性的な部類の人間だといえよう。
ベーシストという役回りにとどまらずソロで作品を出したりもしている。
ちなみにRIZEのドラム・金子ノブアキは彼の兄で実兄弟である。

ドラム・中村達也

ドラムの中村達也氏は「LOSALIOS」(ロザリオス)というバンドのドラマー。
この方が以前に在籍していたのが「BLANKEY JET CITY」言わずと知れた有名ロックバンドだ。

 

改めて見ると、とてつもないメンツのそろったバンドである。女王蜂含め、それぞれのメインバンドと並行して活動しているよう。
獄門島一家のお披露目がされた辺りで何かのフェスに出演するっていうのは知ってたんだけど、実際にライブも見れてないし、音源も聴いたことがなかったので、ボクは今回のスプリットシングルで初聴となった。

ちなみに「実録!獄門島一家」という4曲入りCD+雑誌(?)が音源として発売されている。

聴いてみよう 女王蜂VS獄門島一家 “金星/死亡遊戯”

このスプリットには女王蜂が新曲2曲、獄門島一家が過去音源から1曲+新曲1曲の計4曲が収録されています。
女王蜂の「金星」という曲がリード(?)トラックとしてMVがYoutubeに公開されています。

「個性」って意味ではだいぶ落ち着いた感はあるかもしれません、この曲については。
これまでの作品に比べるとだいぶ現代的な曲に感じます。嫌いじゃないけど「THE 女王蜂」っていう路線からは外れている感じの曲ですね。
和メロ、とまではいかないですがレトロというかノスタルジックというか、日本人に響くフレーズが女王蜂の曲の持ち味だと思っているので、そこは失わずにいって欲しいところですね。

この曲タイトルの「金星」然り、女王蜂の曲名って昔の映画の内容からミーニングされてたりするのかな。
ファンはもう慣れちゃってるかもしれませんが、フツーのバンドなら付けないような言葉のチョイスが多い気がしますね。

アヴちゃんにしかできない要素のひとつだと思っているんですが、男声と女声の使い分けとハモりは絶品なんです。
前作「失神」に収録されていた「売旬」も正にソレを活かした曲で、すごくイイんです!
※グラビアアイドルの篠崎愛さんと交流があるようで、彼女とコラボしたバージョンの「売旬」もかなりGoodです

 

 

Youtubeではこのスプリットの告知としてテザーが公開されているのだが、「獄門島一家」にミーニングしたのか、任侠映画っぽい作りがまた面白い。

https://www.youtube.com/watch?v=4l1WMInCn5o

獄門島一家 初聴の感想

前述のとおり、ボクは今回のシングルで獄門島一家を初めて聴いたわけですが。
予想に反して大人っぽい音楽やってるんだな、と。

なんだろう、バンド名とメンバーのメンツからしてもうちょいハードなことやってるのかな?と思っていたんですが間奏の主旋律にサックスが入ってきたりと、アダルティーな仕上がりの曲という感じ。
浮雲さんがやってそうな楽曲のイメージには近かったです。

女王蜂と曲の感じを、意図的に分けているような印象はなかったですね。
歌い方を変えている、とかでもないし。

シーサイドスーサイド(獄門島一家)

2曲目シーサイドスーサイド」は過去音源「実録!獄門島一家」に収録されていた楽曲の再録。
こちらがとくに大人っぽさを感じました。大人っぽいというか、大人しいというか。

死亡遊戯(獄門島一家)

3曲目「死亡遊戯」は2曲目にくらべると若干アクが強めかな?
ファズ&ワウギターと全体的にマイナー進行なのと、早口口調の歌。
エレベーターガールの寸劇のようなセリフ、ラップみたいなパートがあったりと飽きさせない展開。
女王蜂に通ずるようなノスタルジックなフレーズも印象的でした。
個人的にはこっちのが好きでしたね。

く・ち・ず・け(女王蜂)

4曲目は女王蜂の曲。
「キス!キス!キス!」と唄う合唱系のコーラスと、ユニゾンするリフが印象的。終盤にピアノが入ってきますが、1曲目の「金星」のようなシンセサウンドよりはこういうアナログっぽい音色のほうが女王蜂らしい、と感じますね個人的には。
ライブではキーボードのサポートメンバーさんがいるみたいなので、鍵盤パートの振り幅は多いに越したことないのでしょうが。。

今作だと女王蜂の曲は比較的おとなしい印象ですね。

格ゲー風のアートワークが素敵

ジャケットが素敵な今作。
格ゲー風のイラストは西村キヌさんという方が手がけたモノだそう。
この方カプコンでストツーとかのキャラデザインをしていたかたみたいですね。素敵。

初回版はトールケース仕様(縦長DVDサイズケース)でCDの盤面もゲームソフトみたいなデザイン。
取説風の察しとかステッカーとかもついてる。すっげえ手込んでる

https://twitter.com/qb_avu/status/722283832741728256

あとがき

[rating]

女王蜂の他の作品に比べて、楽曲からうけるインパクトは弱めかもしれない。
ファン向け作品といわれたら、そう感じる。

ボクとしては獄門島一家をようやく聴けたのでそこは良かった。
今作の収録曲だと獄門島一家「死亡遊戯」がイチバンお気に入りかな。

 

5月15日からは今作をひっさげての単独ツアーがはじまる模様。
活動再開後の女王蜂はわりと活動がアクティブで、他ジャンル対バンとかでぶっとんだイベントツアーやってたりもするのでボクもそろそろライブ行きたいな〜、と思うところ。

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