海外ドラマ・ 殺人を無罪にする方法 第5話 「陪審選定」が放送(Dlife見逃し配信でも配信)されたので今回もレビューしてみます。サムとライラの関係を知ってしまったアナリーズ、さらにレベッカがある真実を知ってしまい…。
前回のレビューはコチラ。
殺人を無罪にする方法 第5話 「陪審選定」 あらすじ
原題は “We’re Not Friends”
※過去視点は徐々に時間が進んでいくのに対し、未来視点は徐々に時間が巻き戻っていきます。
過去視点
未来視点の6週間前。
ライラの携帯の “画像” をつきつけられサムはライラとの関係を白状する。
アナリーズは泣きながらサムを問い詰める、サムはアナリーズをなだめようとするがアナリーズの怒りは収まらずサムに噛みつき部屋から追い出す。あまりの騒ぎに心配そうに見守るアシスタントのボニー。。。
今回のアナリーズが受ける弁護は、警官の父親を射殺した息子 ライアン・レミニ 。
暴力をふるう父親から母親を守るために反抗に及んだ息子を弁護し「警察」を相手に戦うことに。大事なのは「証拠」よりも「陪審の心をつかむ」こと。
証拠やデータではなく人の内面を観る力を持った人間を陪審に選ぶことがポイントだと、アナリーズは語る。
- 男性は「処罰」を重視する傾向がある
- 陪審員と依頼人の共通点を探し共感をよぶ
- 権力に対して不信感をもつ人間を選ぶ
サムの件で精神的にまいっているアナリーズはネイトを尋ねる。
しかし、第4話でボニーがレベッカの事情聴取ビデオを入手する際に、ネイトのネタを餌に警察と取引したためネイトは警察をクビになっていた。アナリーズをつきはなすネイトは更に追い打ちをかける、サムのアリバイ調査で「サムはシロ」だとウソをついていたネイトは、あろうことかこのタイミングで「あれは嘘だった、サムは事件当夜この街にいた」と真相を告げる。ダブルでショックなアナリーズは言葉も出ない。
アナリーズはボニーを責める、そのセリフの中で「ボニーはサムを想っている」と匂わせる表現が…。
裁判では、父親の同僚である警官たちの徒党を組んだ証言によって苦境にたたされる。
だがインターンたちがあの手この手を使い、陪審員の弱みを握り、アナリーズに不利な陪審員を裁判から排除していく。それでも依然苦境は変わらず、時は評決を待つ段階に。
哀れな境遇のライアンをどうしても助けたいローレルは、反則技に打って出る。陪審員のひとりに「法の無視」という手段があることを間接的に知らせる。フランクはローレルのやったことを目撃するが、彼女に好意を抱いているためアナリーズには犯人が誰かを伝えない。
インターンの暴走に怒りを覚えるアナリーズだが、彼女はこれを逆手に取る。
陪審が何者かによって「法の無視」を知ったことを、自ら匿名でリーク。
翌日の裁判ではその件が論議され、判事は陪審員たちを全員解任、実質的に裁判が立ちゆかなくなったことから「審理無効」の評決がくだる。ライアンは検察による「殺人」の嫌疑は問われず、少年裁判所による社会奉仕程度ですむことになった。
インターンたちみんなが喜ぶなか、ローレルは一際嬉しそうだ。
アナリーズはネイトから聴いた真相をサムに問いただすが、サムは誤魔化し浮気を謝罪するのみ。
アナリーズはレベッカを呼びつけ、サムと面会させる。レベッカは心理鑑定をうけるだけだとおもっているが、アナリーズの思惑はサムとレベッカの発言の整合性を問うため。レベッカは携帯の写真の男がサムだとは気づいていないが、この男(通称:ミスターダーシー)が犯人だろう、と考えている。
この鑑定では問題となる発言は飛び出さなかったが、アナリーズは依然サムを疑い続けている。。。
サムの心理鑑定を問題なくすませたレベッカだが、鑑定直後に姿をくらます。
ウェスはどういうことかとレベッカに電話尋ねるが「アナリーズの家の壁紙をみろ」とウェスに告げる。ウェスが件の壁紙を確認しに行くと、それはライラの携帯にあった「裸の男の写真」に映っていた壁紙と同じものだった…。
未来視点
サムの遺体を取りに行く前の回想。
森で隠れる4人、ローレルの携帯にフランクから着信。ミカエラが着信画面を目撃し「なぜフランクがかけてくるのか?」と問い詰める。サム殺害のことをフランクにもらしていたら大変だからだ。ローレルはフランクと “男女の仲” であることを告げ、着信はそれが理由だと説明する。
次に遺体を焼いているシーン。
ふたたびフランクから電話がくる、コナーにアリバイを作るためだと言われ電話にでるローレル。フランクは慌てた様子でローレルに誤り、ローレルは怒りをあらわにする。どうやら二人のあいだでは痴的なトラブルが起きているようだ。。。ローレルはそのまま電話を切る。
ふたたびシーンが変わり、ミカエラが失くした指輪をさがす一行。
指輪を失くし動揺するミカエラ、しかし彼女がアッシャーに凶器のトロフィーを返さなければならないらしい。。。とてもその役目を果たせなそうなミカエラに代わってローレルがその役目をかって出る。
トロフィーをもったローレルはアッシャーではなくローレルの元を訪れる。助けて欲しい…と。
ライアン役のジュリアン・デ・ラ・セル
今回、アナリーズの依頼人 ライアン・レミニ役を演じたのは[actor][name]ジュリアン・デ・ラ・セル[nname]([altname]Julian De La Celle[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm2999417/”][image urls=”ttps://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/11/CX-bCiPUAAAhZGZ.jpg”][aactor]。
ボクは見たことがない俳優さんなんですが、ドラマ「アグリーベティ」にも出演していたそうです…え〜出てったけ?何の役だろう。。。
あとはボクの大好きなドラマ「HEROES」のラストシーズンに登場するサミュエル、回想シーンなどで彼の子供時代を演じていました。
法の無視 と 審理無効
ライアンの裁判の中で登場した「法の無視」と「審理無効」という言葉。
リーガルな方面では日常的な言葉なのかもしれませんが、一般人のボクにはちょっとむずかしくて意味がわからなかったので、少し調べてみました。
法の無視
裁判の一部始終を見たうえで陪審員が有罪無罪の評決をくだすのが陪審員制度。
原則として、陪審員は有罪か無罪かの結論のみを提示するが、結論に至る理由は明示されないので仮に明らかに法を犯していたとしても、結論だけを提示するならば無罪にすることが可能。これが「法の無視」。(法を無視して結論を出してるって意味ですね)
なんらかの意図をもって評決結果を操作しようとする際に用いられるようですが、今回ドラマのなかで使われた意図としては、おそらくこう。
- 陪審員の多くがライアンの境遇に同情しており心情的には無罪を推したいが、証拠や証言だけでは無罪に至るには弱い、という現状がある。
- 証拠や証言を無視し「法の無視」を行使して無罪評決を出すことは可能。
- ローレルによって「法の無視」を知った陪審員は陪審全体にその情報を共有。
- 結果「無罪」評決を出そうとしたが、事前にリークによって阻止された。
<法の無視>
陪審が事実認定と法の適用を行う際、その前提となる法は裁判官の説示に従うこととされている。しかし、陪審の評決は、結論のみを示し、そこに至る理由を示さない一般評決が原則であるため(ただしアメリカの民事陪審では個別評決もある)、陪審が故意に法を無視した評決を下すことが事実上可能である。これを陪審による法の無視という。典型的なのが、被告人の有罪を立証する証拠が十分あるにもかかわらず、その行為を処罰する法自体が正義に反すると陪審が考えた場合に、無罪の評決を出すような場合である。
例えば、前記のジョン・ピーター・ゼンガー事件、禁酒法時代にアルコール規制法違反で訴追された被告人に無罪評決が多く出された例、黒人や公民権運動の関係者に対する殺害等で訴追された白人至上主義者に、全員白人の陪審が無罪評決を出した例などが挙げられている。
陪審による法の無視は、民事・刑事いずれでも起こり得るが、特に刑事事件で陪審が十分な証拠にもかかわらず無罪評決を下した場合、英米法では二重の危険の禁止により検察官の上訴は許されないので、上級審が法適用の誤りを理由に再審理を命じるなどして訂正する手段がない。
陪審による法の無視については、法律問題への陪審による不当な介入であり、当然許されないという否定的な見方と、民間人の価値観を反映することも法の健全な発展・改革にとって意味があるという肯定的な見方がある。
連邦控訴裁判所の判決には、「陪審による法の無視は、説示された法を適用するという陪審員の宣誓に違反するものである」として、法の支配の観点から、陪審による法の無視は望ましくなく、陪審員が証拠の有無にかかわらず無罪としようとしていることが分かった場合には裁判官はその陪審員を解任できるとの判断を示したものがある。少なくとも、陪審が法を無視することができるということを、裁判官が説示の際に述べるのは不適当であるという考え方が一般的である。
参考:「アメリカでは陪審員が法律を無視して無効にすることが出来るらしい」海外の反応
参考:TIL American juries can nullify a law by ignoring it, and letting the defendant go free.
審理無効
「法の無視」を決行しようとした陪審ですが、アナリーズのリークによってそれが判事の耳に入ります。
上記の引用文のように「法の無視」事態は不当行為とみなされるため、「法の無視」が行われるという事実があればそれを阻止すべきと考えるのが、妥当なのかもしれません。ドラマのなかの判事もそのように対応していました。
審理無効、とは要は無罪とも有罪とも結論が出せなかったという結果で、実際には審理無効になったあとでも再審議が行われる場合もあるようですが今回は情状酌量もあったのでしょう。
ローレルが「法の無視」を陪審に教えた時点で、ほっておけば無罪評決をとれた、のかもしれませんが、そこはプロのアナリーズ、確実な方法をとるために「審理無効」を選択したのでしょうね。
レベッカ再逃亡のワケ
サムの心理鑑定をうけたレベッカは突如、逃亡。
部屋がもぬけの殻に鳴っているのを発見したウェスは慌てて彼女に電話します。すると彼女は「全部しってたの?」「グルなの?」と意味深発言。なんのことだかサッパリのウェスが尋ね返すと「アナリーズの家のトイレの壁紙」を見るように伝えます。
ライラの携帯に残っていた男の写真。その背景に映っていた壁紙とアナリーズの家の壁紙が同じことに気付いたレベッカ。
「あの写真はココで撮られた」→「じゃああの男はサム?」→「なぜサムに私の心理鑑定を?」という連想から、レベッカはアナリーズとサムがグルになり自分をハメようとしているのでは?もしかしたらウェスもグル?という発想に至ったのでしょう。
もちろん何も知らなかったウェスですが、壁紙を再確認したウェスはアナリーズに「ご主人がミスターダーシーですね…?」と。。。
あとがき
[rating]
レベッカ再逃亡でまたまた波乱の予感…ラストシーンではウェスのアナリーズに対する表情に鬼気迫るものがありゾクゾク…。この時点ではアナリーズがサムをかばって、レベッカをハメようとしているととられても仕方のない状況ですもんね。
依然、未来視点の進捗はゆ〜ったりなのでまだまだ事件の真相にとどくには話数が必要そうですね。。。
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