先日、沖縄に弾丸ひとり旅に行ってきたのですが、旅先での空き時間で映画をみてきたのでレビューしてみようと思います。
沖縄限定で公開されている、本格3Dホラー「 神人(カミンチュ)Legend of ZAN 」です。
神人(カミンチュ)Legend of ZAN とは
今年の10月から沖縄で限定公開されている、沖縄の制作陣によって制作された映画。作中でも沖縄を舞台に、所謂「人魚伝説」(ザン)をモチーフにした現代ホラー。
出演陣も沖縄の俳優、劇団員を多く採用しているなか、千葉真一 氏がゲスト出演していることも見どころ。
沖縄には「ザンの伝説」があり、人魚の肉を食べると不老不死になるというものだった。
主人公・ミナは、親友のアスカと男友達の三人で海に行き、「水難の碑」へ肝試しに行った。そこで怪奇現象に巻き込まれ、男友達が死んでしまう。
ミナはアスカを救いに行くが、そこで恐ろしい事実を知ることに・・・
公式サイト より抜粋
登場人物
ミナ
主人公の少女。
幼い頃から「海に近づくな」と教えられ育つが、ある日言いつけをやぶって友人たちと海岸にやってきたことから事件に巻き込まれていく。
演じているのは[actor][name]河内美里[nname][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/11/photo1.jpg”][aactor]。
正直、はじめて見る方でしたが、舞台や音楽活動なども行っているらしいです。ちなみに沖縄出身ではなく東京出身。
アスカ
ミナの友人。
彼女がミナを海に連れて行ったことで事件の発端となる。
演じるのは[actor][name]玉栄日也美[nname][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/11/photo7.jpg”][aactor]。
沖縄の劇団「チームスポットジャンブル」の女優さんらしいです。(そちらの公式ページだと「宝眞榮日也美」名義になっています)
ハル
事件に巻き込まれたミナが頼ることになるユタ(沖縄の祈祷師)。
詐欺まがいのインチキ占いで日銭を稼ぐ生活をおくるが、霊感はホンモノらしく…。
演じるのは[actor][name]城間やよい[nname][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/11/photo6.jpg”][aactor]。
沖縄のタレントさん?女性のコンビ芸人として活動してらっしゃるようです。
イサトゥー
ザン(人魚)の肉を食べ不老不死となった男。
以来、地元の有力者として君臨しつつも、裏で暗躍しているようだが…。ちなみに「イサトゥー」は「カマキリ」を意味する言葉。
演じるのは[actor][name]嘉人[nname]([altname]小橋川よしと[aaltname])[sameus urls=”https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%A9%8B%E5%B7%9D%E3%82%88%E3%81%97%E3%81%A8″][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/11/photo4.jpg”][aactor]。
現在は東京で活動する沖縄出身の俳優さんだそう。NHK 大河ドラマや映画など数多く出演している模様。
アタビー
イサトゥーの兄弟。
彼もザンの肉を食べ不老不死となった。イサトゥーとは仲があまりよくないようだが…。ちなみに「アタビー」は「蛙」を意味する言葉。
演じるのは[actor][name]新垣正弘[nname][sameus urls=”https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%9E%A3%E6%AD%A3%E5%BC%98″][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/11/photo5.jpg”][aactor]。
沖縄で劇団を主宰するほか、アニメ「はいたい七葉」では声優も担当されたらしい。
メイリン
アタビーに連れ添う謎の女性。劇中でのセリフはほんの極わずか。
演じるのは[actor][name]李 元玲[nname]([altname]キャサリン・リー[aaltname])[sameus urls=”https://zh-yue.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E5%85%83%E7%8E%B2″][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/11/photo3.jpg”][aactor]。
中国の女優さんのようです。彼女のインスタグラムを拝見するとめちゃめちゃ美人さんなのですが、作中の顔とだいぶ違うようにも見えるのですが…。
謎の老人
作品中盤で登場する老人。ミナにある助言をする。謎の武術の使い手。
演じるのは[actor][name]千葉真一[nname]([altname]JJ Sonny Chiba[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm0002002/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/11/photo2.jpg”][aactor]。
本作ではゲスト出演されているようです、良くも悪くも「千葉真一!」という感じでした。。
あらすじ
沖縄に住む少女・ミナは友人のアスカとタケに連れられて海外へ遊びにやってくる。
育ての母・末子に幼いころから「海には近づくな」と教えられてきたミナは躊躇するのだが。。。
海外にある洞窟で、タケは石碑をみつける。
不審がって制止するミナをよそにタケとアスカが石碑に近づく、するとアスカは原因不明の激痛に襲われ、タケは何者かによって水底にひきずりこまれる。恐怖のあまりうずくまるミナ。
タケは命を落とし、アスカは一命をとりとめるも入院する重傷を負う。
病院に駆けつけた末子はミナを責め、彼女を海に誘ったアスカも責めるのだが。。。ミナは献身的にお見舞いにやってくるが、アスカの母は「ミナとはもう遊ぶな」と彼女を遠ざけようとする。
島に住む有力者・イサトゥーはヤクザ・小島から「人魚(ザン)の肉」が欲しいと相談を受ける。ザンの肉を食べると不老不死となることができ、イサトゥーもまた大昔に不老不死となった人物であった。
イサトゥーはアスカがザンの末裔であると考え入院中のアスカをさらってしまう。
ミナはさらわれたアスカを助けるため、ユタのハルを訪ね協力を請う。
ハルとミナはアスカの消息を追うのだが、イサトゥーの兄弟であるアタビーに捕らわれてしまう。アタビーはザンの末裔が実はアスカではなくミナであることを語り彼女を逃がす。(アタビーはイサトゥーと反目しあっている)
ハルとミナは小島に狙われるが、謎の老人によってピンチを救われる。
老人の正体は、もうひとりのザンの末裔。ミナ自身もザンの末裔であることを告げ、アスカが自分と間違えてさらわれたことを知るミナ。
イサトゥーはアスカがザンの末裔だと考え彼女の肉を食べようとするが、そこにアタビーとミナが現れ「本物の末裔はミナ」だと告げる。
アタビーがミナを独り占めすると考えたイサトゥーは彼を殺そうとするが、そこに謎の老人もあらわれ三つ巴戦。さらにミナは自ら海に飛び込み、イサトゥーはそれを追って海に飛び込む。
ミナはザンの末裔として覚醒し、水の中でも死ぬことはなく、海流を操る(?)術を使ってイサトゥーを海の彼方へ吹き飛ばしてしまった。
(設定ではザンの肉を食べた人間は島から離れられない、離れると体が焼け焦げて死んでしまう。そのためイサトゥーはおそらく吹き飛ばされた後に死んだ、ってことだと思う)
“ザ・地方制作” な仕上がり
申し訳ないけど、悪い意味でそう感じた。
地方制作のローカル局でやっているTV番組、というぐらいのクオリティなので高評価はつけがたい。“人魚伝説” というモチーフ事態には地域の独自性を感じるも、お話の内容的にはさほど目新しさもなく凡俗。焼き直しされつくした和製ホラー仕立てだ。
予告トレーラーはそれなりに期待感を煽れていたんだけど、本編中のさまざまな表現が陳腐すぎた。コスプレイヤーのようなカラーコンタクトや子供番組で使うようなレベルの低いCG合成はただただ残念。
登場するヤクザ・鈴木はそれっぽいスーツに見を包んでいるのに、子分のヤクザは何故か かりゆし 着てて笑ってしまった。かりゆし姿のおじさんがスゴんでる姿、どう見ても笑うしかなかった。
役者陣は多くが沖縄の現地で活動されている方、ということで方言はバッチリネイティブ(少なくともボクにはそう聞こえた)で変な違和感はなかった。ただ演技はやはり地方劇団色が強い。
また、イサトゥー役の小橋川よしと氏の演技が(役柄の所為もあるだろうけど)やたらアクが強いので、他出演陣との熱量差が見て取れてしまいソコも少し残念。
ゲストの千葉真一氏は、善くも悪くも「The ソニー千葉!」という演技だったのだけど、これが全体の稚拙さを悪い方向に後押ししてしまった感もある。
唯一、ハル役の城間やよいさんの演技は個性と地方色もありつつ、全国的に通用しそうな演技だな〜と個人的には感じた。
あとがき
[rating]
「全国上映作品じゃないしこんなもんか〜」っていうのが正直な感想。
ボクは沖縄旅行中に現地の劇場で観覧したのだけど、どうやら地元の方らしいおばちゃん2人組が見に来ていて「ホラーなのにこういう層の方もみるんだ…?」と少々驚いたのだけど、上映が始まって割りと早い段階で、おばちゃんたちは席を立って戻ってこなかった…。
「現地制作の映画」という1点に、地元愛から見に来た方だったのかもしれないが「心臓を抜き取り血しぶきをあびてそれを食べる」なんていう、あからさまな猟奇シーンがあったので、おばちゃんも面食らったのだろう。。
2D版は用意されておらず3D版のみの上映、3D強制される割にはそれが必要とされるようなダイナミックなシーンはほぼ皆無で「なぜ3D版オンリーにしたのか?」がナゾ。さらにホラー作品ということもあって、全編通して薄暗い画調で作られているため、不必要な3D仕様がヒジョーに目に悪い。観ていて尋常じゃないぐらい目が疲れた。
こちら↓の記事では、先行上映の際の様子が書かれているんですが、監督が「3D映画が作りたかった。題材を探してザンの物語にした」とおっしゃっていたので、脚本の作り込みにはあまり力を使わなかったのかな?、とあるのですが、だとしたらそもそもミス設計な作品だと言わざる負えない。。。せめて2D版の選択肢は欲しかったなあ。
参考:特別招待作品「神人〜ザンの末裔〜」沖縄の人魚伝説を題材にしたホラー映画
ググッてみると監督さんはどうやら沖縄の映像会社の方らしく、どちらかといえば技術職なのかなあ…という感じ。
3D映画をやりたかった、という発言からも、もしかしてあまりシナリオは重視されていなかったんじゃないだろうか。
すでに上映終了がせまり、パッケージが発売されるのかどうかわからないけど、他人に薦められる作品かというと…う〜ん難しいかな。