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【映画レビュー】高慢と偏見とゾンビ を観てきた

高慢と偏見とゾンビ

9月30日から公開されているゾンビ映画「 高慢と偏見とゾンビ 」を観てきたので感想をレビュー記事として書いてみたいとおもいます。

高慢と偏見とゾンビ とは

ジェーン・オースティンによる恋愛小説の古典「高慢と偏見」にゾンビの要素を取り入れる大胆なアレンジでベストセラーとなったセス・グラハム=スミスの同名小説を、「シンデレラ」のリリー・ジェームズ、「マレフィセント」のサム・ライリー主演で映画化。

感染するとゾンビとなる謎のウィルスが蔓延する18世紀のイギリス。
片田舎で暮らすベネット家の5人姉妹は、裕福な男性との結婚を夢見ながら得意のカンフーでゾンビと戦う毎日を送っていた。ある日、屋敷の隣に資産家のビングリーが引っ越してきて、ビングリーの友人で大富豪の騎士ダーシーも出入りするようになる。舞踏会でダーシーと知り合い、色めきだつ姉妹だったが、次女のエリザベスだけは、ダーシーの高慢な態度に嫌悪感を抱いていた。そんな中、人類とゾンビによる最終戦争が勃発。ともに戦うことになったエリザベスとダーシーは、互いに自らの中で抱いていた偏見に気づきはじめる。監督と脚本は「セブンティーン・アゲイン」のバー・スティアーズ。原作ファンで映画化のきっかけを作ったナタリー・ポートマンがプロデューサーとして参加。

映画.com より

登場人物

あらすじを追う前に主要キャラクターをチェックしておきます。

エリザベス(リズ)

主人公。イギリスの田舎に住まうベネット家の次女。18世紀の女性観に反して、男性に迎合することを嫌う男勝りな性格。

演じるのは[actor][name]リリー・ジェームズ[nname]([altname]Lily James[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm4141252/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/11/pride-and-prejudice-and-zombies-ver12lily.jpg”][aactor]
2015年公開の「シンデレラ」リブート版では主役シンデレラを演じていました。

ダーシー

富豪の家系でイギリス軍の大佐、キャサリン(後述)の甥。
ゾンビ退治に長けているが、人付き合いが上手くない難儀な性格の持ち主。

演じるのは[actor][name]サム・ライリー[nname]([altname]Sam Riley[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm0727165/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/11/pride-and-prejudice-and-zombies-ver9riley.jpg”][aactor]
イギリス出身の俳優さん。ディズニーの実写映画「マレフィセント」では主役マレフィセントに仕える鴉の化身・ディアヴァルを演じていました。

ウィカム

とある街でエリザベスが出会う男。
小さい頃からダーシーの父の元でダーシーと共に育ったが、お互いに嫌悪しあっている。その理由は…。

演じるのは[actor][name]ジャック・ヒューストン[nname]([altname]Jack Huston[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm1658935/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/11/jack-huston-zombies.jpg”][aactor]
ドラマ「ボードウォーク・エンパイア」などに出演。来年には彼が主演を務める映画「ベン・ハー」のリブート版が公開予定。

ジェイン

ベネット家の長女。
近所に引っ越してきたビングリー(後述)と恋に落ちる。親や他人からは美貌を褒めそやされ、いつも彼女と対比させられ2番手に甘んじるエリザベスは不服そう。

演じるのは[actor][name]ベラ・ヒースコート[nname]([altname]Bella Heathcote[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm2757333/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/11/Pride-and-Prejudice-and-Zombies-Bella-Heathcote-Jane-Bennet.jpg”][aactor]
出演作はあまり多くないのですが、ジョニーデップ主演の「ダークシャドウ」では気弱な家庭教師・ヴィクトリアを演じていました。

ビングリー

ベネット家の近所に引っ越してきた富豪。
ご近所さんを招いた舞踏会でジェインにひと目惚れする。ダーシーとは親友の仲。

演じるのは[actor][name]ダグラス・ブース[nname]([altname]Douglas Booth[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm3150488/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/11/pride-and-prejudice-and-zombies-ver8booth.jpg”][aactor]
映画「ノア 約束の舟」ではノアの長男・セムを演じている。

コリンズ牧師

ベネット家の娘に求婚しにきた牧師。
偏屈な性格と独特な容姿が強烈、無論ベネットの娘達には不評なようで…。

演じるのは[actor][name]マット・スミス[nname]([altname]Matt Smith[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm1741002/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/11/Matt_Smith_is_ready_for_battle_in_exclusive_Pride_and_Prejudice_and_Zombies_poster_mloj7d.jpg”][aactor]
独特な容姿は好き嫌いが分かれそうな俳優さんですが、俳優として安定した評価を得ているようです。有名な海外ドラマ「ドクター・フー」では11代目の主演に抜擢、映画「ターミネーター:新起動/ジェニシス」などにも出演。

レディー・キャサリン

イギリスの富豪でダーシーの叔母。数々のゾンビ討伐の武勇伝をもつ女将軍でもある。

演じるのは[actor][name]レナ・ヘディ[nname]([altname]Lena Headey[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm0372176/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/11/ladyc-winteriscoming.jpg”][aactor]
海外ドラマ「ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ」では主役サラ・コナーを熱演。現在はドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」などにも出演中。

あらすじ

18世紀のイギリスを舞台に、他国から持ち込まれた疫病=ゾンビが蔓延する架空のイギリスが描かれる。
各国との貿易で、品々に紛れてイギリスにわったてきた疫病は、ゾンビになり人の脳を食べたくなって人間を襲うようになる。疫病はたちまち全土に広がり、ロンドンは高い外壁で囲まれ封鎖された。
人々は田舎に移り住みゾンビに怯えながら暮らすようになった。

田舎に住むベネット家には5人の姉妹がいた。
上からジェイン、エリザベス、キティ、リディア、マリー。家は父ひとりの収入で養われていて、娘達が資産家にとつがなければ近い将来、食うにも困る経済状況。母親はなんとか娘達を資産家に嫁がせようとやっ気になっている。
次女のエリザベスは結婚し男に養われることに違和を感じているが、目下の姉妹たちにはその男勝りな性格をからかわれる始末。

そんなある日、ベネット家の近所に富豪・ビングリーが引っ越してくる。何がなんでも彼を落としたい、と姉妹たちは着飾り引越し祝いの舞踏会へ足を運ぶ。
舞踏会でビングリーは姉妹の長女・ジェインにひと目惚れ、恋に落ちる。ビングリーの友人・ダーシー大佐も招かれていたが、彼は俗世的な舞踏会を好まず、冷ややかな視線を会場に向けていた。母親は次女のエリザベスをダーシーとくっつけたいと画策するが、ダーシーは彼女には無関心。
それどころか、男に取り入ろうとする並の女だ、と彼に揶揄されたのを聴いてしまいエリザベスは怒って会場を飛び出してしまう。

会場の外で涙をにじませながらダーシーに悪態をついていると背後から彼女に声をかける女性が…。
声をかけたのは死んだはずの知人・。彼女の顔は見にくく崩れ、ゾンビになっていることが目にも明らかだった。次の瞬間、婦人の頭が吹き飛ぶ。異変に気付いたダーシーが発泡したのだった。

どこから湧いたのか、会場は一転侵入したゾンビたちで溢れかえる。客はパニック。
ダーシーはゾンビを排除しようと会場の中にむかうがそこではベネット姉妹たちがカンフーばりの体術と剣術を駆使しゾンビを次々となぎ倒していた。美しいほど華麗に戦う彼女たち。なかでもエリザベスのその姿に一際惹かれてしまうダーシー。
けっきょく姉妹たちの立ち回りでゾンビは一掃されてしまった。

ゾンビが蔓延するこの時代、身を守るために剣術や東洋武術を学ぶことが、優秀な女性の嗜みのひとつになっていた。ベネット姉妹も例外ではなく中国や日本の武術に精通しており、麗しいドレス姿に反して雄々しい戦闘技術を身に着けていたのだった。

明くる日、ビングリーと良い仲になることが望めそうなジェインは、母親の強い勧めもあって、ひとりでビングリー邸へお泊まりに出かける。
しかし、向かう途中ゾンビに襲われ馬を失う。子連れのゾンビを目の当たりにし動揺するが、なんとか難を凌ぐ。しかし急に降りだした雨に濡れジェインは風邪をひいて寝込んでしまう。ビングリー邸でやすませてもらうジェイン、彼女をひきとりにベネット姉妹と母親が迎えに来る。

ダーシーはジェインが疫病にかかったのでは?と疑い、もしそうだったら彼女を始末するつもりで近づく。死肉に反応するハエを飼っているダーシーは、ジェインがゾンビ化しているか確かめるためにハエを飛ばすが、それに気付いたエリザベスはブルース・リーのごとく飛び交うハエを素手で捕らえてみせる。これにはダーシーもびっくり。

ジェインとビングリーの距離は近づくいっぽうで、エリザベスはダーシーを嫌ういっぽうだ。
そんなある日、ベネット家に一人の男が尋ねてくる。男はコリンズ牧師、彼はベネット姉妹からひとりを妻に迎えようと見繕いにやってきたのだった。見た目も性格もちょっと難ありな彼に姉妹たちはだれも興味を示さない。
しかしコリンズはジェインが気に入った様子で交際を申し込むがビングリーの存在を明かし、交際を断る。
母親はジェインの代わりに「2番目にキレイなエリザベス」を薦め、エリザベスは不満気な顔。コリンズはあっさりとエリザベスに鞍替え。。。

無論コリンズに興味ないエリザベスは、ダーシーの幼なじみで且つ彼と犬猿の仲である男・ウィックに惹かれはじめる。

ウィックは彼女を「秘密の場所」に連れて行くと誘い、廃れた教会へ連れて行く。
するとそこには無数のゾンビたちがミサを開いていた。焦るエリザベスだがウィックが制止。ゾンビたちは襲ってくる様子もなく粛々とミサを進めていた。なぜ人を襲わないのか不思議に思ったエリザベス、ウィック曰く「人の脳でなく豚の脳を食べれば人を襲う欲求は起きない」のだと説明する。
ウィックはこの発見を軍の有力者 レディー・キャサリンに提言し、戦争状態を辞めて人とゾンビの共存を模索したいと考える。彼の考えに同調したエリザベスはコリンズ牧師を利用しレディー・キャサリンに謁見する機会を得る。

同じ頃、ビングリーは急に引っ越しジェインの元を去り、悲嘆にくれるジェイン。
(ベネットの母親が資産目的でジェインとビングリーをくっつけようとしていることを知り、ダーシーがビングリーに伝えたため)

ウィックの荒唐無稽な提案はキャサリン一蹴され、ダーシーも彼を卑下する。その様子を見たエリザベスはダーシーを「傲慢」だと揶揄。密かに想いを寄せるエリザベスからのキツイ表現に言葉をなくし立ち去るダーシー。

明くる日、目覚めたエリザベスの元に意を決したようにダーシーが訪れ彼女に告白する。
が、ダーシーにネガティブなイメージしか持っていないエリザベスは拒否。さらにビングリーが去った理由がダーシーにあることを知り更に怒ったエリザベスはダーシーと怒りの格闘をくりひろげる。強烈なエリザベスからの拒否を受けたダーシーは彼女の気持ちを受け、その場を去った。

失意のエリザベスにウィックが近寄り、彼女をどこかに誘おうとするが何か不穏なものを感じたエリザベスは拒否する。
ウィックはそのまま姿を消すが明くる日、姉妹のキティをさらって行方をくらます。エリザベスとジェインはキティを救い出そうとウィックに連れていかれた教会を目指す。ダーシーとビングリーも彼女たちに加勢し、キティを救いだすがウィックと大量のゾンビたちが彼らを追う。

 

ダーシーとウィックは因縁の一騎打ちとなり、ウィックの体をダーシーの剣が貫くが彼は平気な様子…そう、じつはウィックはすでにゾンビ化しており、ゾンビたちを率いていたリーダーだったのだ。
「豚の脳」で理性をたもち人間の中に紛れてイギリス征服を目論んでいたのだった。ダーシーのピンチにエリザベスが駆けつけ二人で打破。

最後はジェイン&ビングリー、ダーシー&エリザベスがそれぞれ結ばれてハッピーエンド。

ゾンビ要素はお飾り…?

ゾンビ、東洋、格闘、中世など様々なモチーフが登場する本作ですが、控えめに言っても要素過多な印象が否めない。。

ボクは原作は読まずに映画をみたクチなんですが、はっきりいって本作は「ゾンビ映画」にカテゴライズされる映画ではないでしょう。ゾンビの部分はまるまる「戦争」とかに置き換えても成り立つ塩梅。
映画を見終わった後で、原作の小説とさらにそのオマージュ元の小説の存在を知りました。もしかしたら両原作では「ゾンビ」と「戦争」挿げ替えが既に起きていて、それを楽しむ作品だったのかもしれませんが、映像化するとなんとも陳腐…。

ひょっとしたら原作は違うのかな…?とは思いますが、(映画を見た限りでは)とくべつエッセンスの強い作品でもないので、見終わった後に得るものがあるわけでもなく。。。
ラスト間際でダーシーが死んだかと思ったシーンでは、「ああ主要キャラが死ぬんだ…陳腐なハッピーエンドにしないのは評価できるかも…」と思ったのですが、次のシーンではちゃっかり生きてるし。残念。

ゾンビが云々、という設定はほとんどスパイスでお話の主体は「身分社会での恋愛物語」と「男性に迎合しない女性像」といったところ。
序盤に登場したフェザーストーン婦人のシーンがゾンビシーンとしては一番見応えがあった(個人的には)、というぐらい終盤ではゾンビ関係ない作品になってしまっています。本年製作の作品だけあって、映像の質感やゾンビクリーチャーの特殊メイクなど、映像屋としてのクオリティは高いですが、お話の再現性が陳腐なので映像と内容のギャップにやられます…(もちろん悪い意味で)

とくにゾンビモノなどのジャンルには、あえて「B級感」を楽しむような作品も珍しくないのですが、この作品はその層にも受け入れてもらえなそうな仕上がりです。。。だってゾンビ作品とは言い難いんだもの。苦笑

あとがき

[rating]

原作知らずでタイトルから勝手にニッチライクなサブカル調を期待していたので、あたりまえに的外れでした。苦笑
恋愛モノはそもそも苦手ですが、ファンタジー要素としてゾンビ作品を期待してもいたのですが、その視点で観てもあまり良作とは言えず…。「原作(「高慢と偏見」)のパロティ」ってことが事前に周知されたうえで、且つ原作をしっていれば楽しめた…のかもしれません。
知らんけど。

もとはエリザベスの役どころを女優 ナタリー・ポートマンが演じる予定だったらしいのですが、最終的にリリー・ジェームスが演じることとなり、ナタリーはプロデュースに徹したようなのですが、日本公開におけるプロモーションでは、何故かナタリーの名前は一切出てこず…何か権利関係の都合なのでしょうか?
ナタリー・ポートマンの名前が出てたらもう少し脚光を浴びたかもしれないですが。。。

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