10月14日から公開になった映画「 GANTZ:O / ガンツ:オー 」を観てきたので感想レビューしてみたいと思います。
奥浩哉原作によるコミックが原作の本作、過去に実写化もされていますが今回はフル3DCGアニメーションということで、公開前から楽しみにしていた作品です。
GANTZ ガンツ とは
原作は、奥浩哉によって連載されていたマンガ「GANTZ」(ガンツ)。ヤングジャンプで2000年から連載されていましたが2013年に原作は完結済み。
ある日、玄野計は地下鉄のホームで小学生時代の親友だった加藤勝を見かける。正義感の強い加藤は線路上に落ちた酔っ払いを助けようとするが、助けに入った玄野と共に、進入してきた電車に轢かれて死んでしまう。次の瞬間、彼らはマンションの一室にいた。そこには、同じ様に死んだはずの人々が集められていた。部屋の中央にある謎の大きな黒い球。彼らは、その「ガンツ」と呼ばれる球に、星人を「やっつける」ように指示され、別の場所へと転送されていく。謎の物体「ガンツ」に集められた死んだはずの人々は理由もわからないまま、その素質の有無に関わらず、謎の星人と戦わなくてはいけない。玄野はその中で、戦いに生き延びながら成長し、「ガンツ」の世界に触れていく。
wikipedia より
GANTZ:O / ガンツ:オー 登場人物
本作は原作の中でも描かれたぬらりひょん・大阪編が描かれています。コミック巻数にして21〜25巻あたり。
登場するガンツメンバーは加藤、西、鈴木、レイカのみで原作の大阪編と比べると参加メンバーがかなり減っているのですが、ここ原作だとサイキックコンビとかヴァンパイアコンビとか出てくるので2時間映画で描くには要素過多だったんでしょうね…。
各所のシーンが登場の4人で割り振られてはいますが、基本的にはほとんど原作の流れに忠実に描かれています。
加藤
通り魔に襲われて死亡。
原作では準主人公的なキャラですが、本作では主人公扱いとなっています。両親を失くし弟と二人ぐらし。”他人のために犠牲を払う精神” の持ち主。
鈴木
病気で死亡。
部屋の先人。ほとんど原作と変わらない印象のキャラ設定でした。
他人を思って行動できる人物でもあり、決して強くはないのだけれど原作ではなんとなく安心できる存在でした。
レイカ
事故で死亡。
現役アイドルで部屋の先人。こちらも鈴木同様、原作とほとんどキャラ設定は同じに感じました。
映画の冒頭では「大阪編」の直近のミッションである「オニ星人編」の一端が描かれており、原作同様、玄野に想いをよせているらしい描写がありました。
西
部屋の先人。
個人主義で他人を犠牲にすることに躊躇がない、中学生。4人の中ではいちばん戦闘経験に長けている。
山咲
ガンツ大阪チームのメンバー。
原作同様「大阪編」で初めて登場し、加藤ら東京メンバーともここで初対面を果たす。
他人を思いやる加藤に惚れている。子持ち。
岡
大阪チームの猛者で過去に100点を8回とっている。途中までは敵と拮抗した戦いを見せるが、結末は原作同様…。
声優はお笑い芸人のケンドーコバヤシ。
室谷
大阪チームのリーダー、過去に100店を7回とっている。
声優はお笑い芸人のレイザーラモンRG。
島木
大阪チームの猛者で過去に100点を6回とっている。
声優はお笑い芸人のレイザーラモンHG。
玄野
原作の主人公。
本作では冒頭の「オニ星人編」で戦い死亡する。(原作では「オニ星人編」クリア後にヴァンパイアに殺された)
レイカや鈴木の会話や回想に登場するが、ストーリーの本筋には登場してこない。
“改悪”がほとんどなく原作ファンも楽しめる
あらすじは、原作の「大阪編」とほぼほぼ同じです。
登場人物(とくに同じチームのメンバー)が減らされているのでそれに伴う改変はあるのですが、原作を読んでいた身として観ていても「え〜?」と感じる部分はほとんどありませんでしたね。
個人的にフルCGの映画ってあまり見てないので、今の最先端がどの程度のレベルなのかわからないのですが、本作のCGのクオリティは素人目に見てもヒジョーに高いというのはわかります。
とくにアクションシーンでの動きの細かさ、微妙な心境の変化に伴う表情などの描写はすごくリアルで、ストーリーの流れが自然に入ってくるのを助長していました。
ただひとつ上げるなら、人肌の質感だけは何か不自然で多少の「ゴム人形」っぽさは否めませんでした、
過去に同原作を実写化した作品「GANTZ / GANTZ PERFECT ANSWER」、ボクもコレを見て嫌いではなかったんだけどやはり「実写化」されると原作との違和感はどうしてもうまれてしまうんだなあ…と感じた。(それに加えて実写版は改変要素も多かったのが難点だったのかもしれない)
日本が舞台、日本人の登場人物、且つ2次元キャラが元になっているとなると3次化したときの違和感をどう詰めるのかってのはすごく難しいポイントなんだろうなって思うんですが、そこがすごくいい塩梅に仕上がっていたように感じました。
前述の肌の質感の違和も、それがあることでリアルさを抑えている感があるのですが、それ故に実写化とは違ったカタチで世界観が再現されていてヒジョーにマストだったのかも…?と。
特にキャラの見た目の再現性は、実写では太刀打ち出来ないレベルの完成度でした…!
改変部分は、どれも登場人数調整のための改変といった感じでお話や世界観がガラッと変ってしまうような改変ではなくて良かったです。
実写化、リメイク作品をつくる映画作家の方々にはぜひこの作品を参考にしてもらいたい、とすら思いました。笑
あとがき
[rating]
事前に公開されていたトレーラーなんかを観ていて期待を膨らませつつも、正直不安感ももっていたんですが、そんな不安を一発で払拭してくれるクオリティでした。
学生時代に原作を読んでいたこともあって、少し懐かしさなんかも感じつつ、予想以上に再現された映像世界を堪能できました。
あたりまえですがストーリーを知っている身としては目新しさはないものの、改変による設定の組み方がヒジョーに考えられていて、原作をよんでいない人が見ても割りと早い段階で世界観設定をスムーズに飲み込めるようになってる。
(強いて言うなら冒頭のオニ星人編は「?」ってなるかもしれないけど…)
とにかく動きのあるシーンの迫力は素晴らしかったので、ぜひ1回は劇場で見ることをオススメしたい。
あと、エンディングでながれるドレスコーズの「人間ビデオ」もオリエンタルで怪しげなフレーズが意外にも作品の世界観にあってて◎。
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