第1話 あらすじ
原題は “eps1.0_hellofriend.mov”
エリオットはインターネット・キュリティ会社に勤めながら、世の中の不均衡、不平等に嫌気がさしつつ自身の仕事すら下らないと感じる鬱屈とした日々を送る。
「3分で人ひとりの人生を狂わせることができる」と自負する天才的なハッキングの能力をもつエリオットは、他人の情報をハックしては悪さをする人間に私刑をくだしていた。
※第1話冒頭では、秘密裏に児童ポルノサイトを運営していたレストランオーナーを匿名で警察につきだした。
人付き合いがうまきできないエリオットは職場でも人に心を開こうとしない。
同僚の中で唯一、旧知の仲であるアンジェラとは普通に接することができるが、彼の恋人・オーリーは気に食わない。なぜならエリオットは彼の個人情報もチェックしており、彼がアンジェラに内緒で浮気を繰り返していたことを知っていたからだ。
しかしアンジェラがこの手の男にひっかかる女性だということも理解しているエリオットは、「アンジェラがもっとひどい男にひっかかるよりは…」という思いから真実は隠したまま、彼をやりすごしていた。
対人関係の問題を解決しようと精神科に通うエリオットだが、そこのカウンセラー・クリスタにも心を開けずにいる。
全ての人を見透かしたような態度をとってしまうエリオット、クリスタ自身は悪い人間じゃないと感じつつもカウンセラーとしては無能と感じていた。そんな彼女の個人情報もつかんでいるエリオット。彼女が最近付き合いだした男にも裏があることを突き止めようとする…。
クリスタの交際相手が、実は既婚者でロリコン浮気男であることを突き止めたエリオットは、男と対面しクリスタと別れるよう告げる。
さらに彼が大切にしてなかった飼い犬を引き取り、自分が飼うことにしたのだ…。
翌日、クリスタは真相を聞かされ泣き明かした様子だったが、事が片付いたことでエリオットは満足そうだ。。。
ある夜、職場でアンジェラの管理するEコープ社のサーバーに大規模攻撃がしかけられる。
並のエンジニアでは太刀打ち出来ない事態を、エリオットはひとりで解決してみせる。これによって職場の社長・ギデオンからの信頼も増したエリオット。
しかし、彼は攻撃を防ぐ作業をしている最中、プログラムの中に自分宛てのメッセージが隠されていることに気付く。。。
エリオットは自分宛てのメッセージを家に帰り確認しようと考えるが、その帰路で電車に乗り合わせた謎の男・ミスターロボットと出会う。
彼はエリオットを「社会に囚われた身から自由にしてやる」とハッカー集団「F・ソサエティ」へスカウトする。エリオットが防いだ大規模攻撃は彼を誘うためのいわば”テスト”だった。
ミスターロボットは自分達の活動の真意をエリオットに明かす。
彼らは世界の経済を牛耳っているコングロマリット(複合企業のい一種)を潰し、現在の世界経済に波紋を起こそうとしている。(ここでいうコングロマリットはEコープ社を指している)
債権や借金などの蓄積データがリセットされてしまえば、かつてない富の再分配が起こせる、と。彼はEコープ社長 テリー・コルビーを先の大規模攻撃の犯人に仕立てあげ、Eコープ解体の狼煙にしようと考えたのだった。
攻撃を防いだことでEコープ・社長のテリー・コルビーはエリオットを高く評価。しかし責任者であったアンジェラはこの件では評価されず、ふたりの間には不和が走る。が、ふたりはすぐに仲直りする。
その直後、衝撃のニュースがオフィスにはしる…テリー・コルビーが大規模攻撃に関与している疑いで逮捕されたのだった。
ミスターロボットが宣言してた世界再編がついにはじまった…!と歓喜するエリオット。
そんな彼を突如、黒服の男たちが取り囲む…事態が飲み込めないまま男たち連れられてとあるオフィスへ連れてこられたエリオット。そこで彼をまっていたのはEコープ社・副社長のタイレルだった…。
エリオットの 善意と悪意の同居
SNS上でのウソの優しさ、ネット上のくだらない情報、社員バッチでの等級分け、などなど現代社会の在り方に辟易している様子がありありと語られているエリオットですが、そのいっぽうで「たまに世界を救いたいと思う」と語る彼。
第1話の中では荒んだ精神状態と闇が描かれましたが、心の根底では善意を持っているんだろうなあと。ミスターロボットが世界経済の再編を提唱したことにも、すくなからず希望の表情をみせたように感じました。
“社会や巨大勢力に対する反発” を原動力として強く持っているいっぽうで善意、優しさ、人との絆のようなポジティブな感情が同居しているのが特徴的に描かれていますが、これって案外誰もが共感できるテーマじゃないでしょうか。
悪を成敗したい、そのために力を行使することが見方によっては「悪」にとられる、ってのはありふれたモチーフではありますが、感情移入しやすい気もします。
近年の日本作品ではコミック原作の「デスノート」シリーズなんかはまさにそれで、目的の根源にあったのは「より良い世界」のためだったという皮肉。
本作の顛末がどう転ぶのかはまだわかりませんが、その展開も含めてかなり期待できるなあ〜と感じた第1話でした。
終盤で流れた挿入歌 Neil Diamond の If You Go Away が異質ながらも、「エリオットの闇とその中に見えた変化」を表すのに効果的なBGMだなあ、と感じたり。。。
感想&あとがき
[rating]
「サイバーテクノサスペンス」という触れ込みからいったいどんなお話なのか?と放送前から気になっていた作品だったのですが、予想に反してかなりリアル追求型の仕上がり。まだ1話のみですが、ファンタジー好きのボクにも決して退屈させずかなりゾクゾク楽しめました。
社会に対する反感とより良くありたいという思いは、きっと誰もが持つ感覚であって、それを非現実すぎないかたちで且つ現代的にうまいこと描かれているなあ〜という感想。
タイレルを除いては極めてルックスが秀でた役者さんが登場していないことも、リアリティに拍車をかけていますね。
個性的すぎるラミ・マレックの顔も観ているうちになんだか愛着が湧いてきます。笑
国内の配信ではすでに全話みられるようなのですが、せっかくなのでAXNで毎週1話ずつ追って楽しみたいと思います!
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