CSチャンネル・FOXで 海外ドラマ X-ファイル 2016 第5話 「バビロン」が放送されたのでレビューしてみようとおもいます。あるムスリムの青年が自爆テロを行う、生き残った犯人から次のテロの情報を引き出したい、とモルダーの元へ相談に来たのは…。
ちなみに前回のレビューはこちら。
X-ファイル 2016 第5話 「バビロン」あらすじ
原題は “Babylon”
ムスリムの青年・シラズはいつものように祈りを唱え、朝食をとり、家をでる。
友達と車で出かけたシラズはふたりでショッピングセンターに入店し、そこで自爆テロを起こす。現場から救出されたシラズはなんとか息をする植物状態で病院に担ぎ込まれた。
そのころ、モルダーは世界中で目撃ならぬ “耳撃” されている現象についてスカリーに熱弁をふるう。
ある日突然に空から鐘の音やラッパの音が聴こえると訴える人々がいるのだ、と。神や天使の奏でる音とでもいうのか、と嘲笑気味のスカリー。
そこへふたりの捜査官がやってくる。FBIのミラー捜査官とアインシュタイン捜査官。
病院に担ぎ込まれたシラズから次の爆破テロについて何か情報を得られないか、と考えたミラーは超常現象的な何らかの方法でシラズと意思疎通を測れないか?と考えX-ファイルの担当者モルダーを尋ねたのだった。
モルダーと同じく超常現象に強く興味を示すミラーと対象的に、スカリーと同じく医者で超現実派のアインシュタインという、何とも象徴的な組み合わせ。
モルダーは思いつく方法はないな、と語り二人はひとまずひきあげる。
しかし、後になってスカリーは「試してみたい事がある」とミラーを誘う。いっぽうでモルダーも「方法を思いついた」とアインシュタインを誘う。
スカリーは自分の母親が昏睡に陥った際に(第4話参照)なんとか意思疎通を図りたかった、と語り科学的な方法(語りかけて脳の反応する部分を観測する)を試そうとする。
いっぽうで、モルダーは幻覚キノコを使いトリップし、体と精神の乖離状態を誘発すれば超常的な感覚で何か情報が得られるはず、と突拍子もない案を熱弁。当然アインシュタインは嘲笑し、なかば軽蔑したような口調でモルダーに反発してみせる。
ミラーとスカリーはシラズの病室を訪れるが、そこに国土安全保障省が現れシラズへの接触を禁じようとする。ミラーは自分が担当だ、と強気に出て、彼らの顔を携帯でとると、彼らは執拗に避けようとする。
アインシュタインはシラズの病室にやってくるが、そこには既にミラーとスカリーの姿が。。。ミラーが自分を差し置いてスカリーと捜査を始めたことが面白くないアインシュタインは態度を翻してモルダーの案に協力することに。
シラズの病室では担当の看護師がシラズ延命のための医療装置を止めようとする。テロや経済的な他人種への憎悪から「あんなやつ死んだほうがいい」と語るナースをアインシュタインがなだめる。
モルダーはアインシュタインが調達したドラッグでトリップしようとするが、実はコレは偽薬(ただのビタミン剤)。
それなのにモルダーはハイになって街に繰り出し醜態を晒してしまう。挙句気を失うが、頭のなかでシラズと彼を抱きかかえる母親と遭遇、今際の知らずが何かを言い残すのを聞く。
目が覚めると病院のベッドの上。上司のスキナーが呆れた顔でモルダーを叱責する。モルダーはシラズと会った、実験は成功だ!と喜ぶがアインシュタインは与えた薬は偽薬だと明かし、またも呆れ顔。
病院を出ようとするモルダーはシラズとの面会に訪れた彼の母親を目撃する。それはトリップ中に会った彼の母親その人だった。
「失敗じゃなかった」と彼女を知らずの病院へ連れて行くモルダー。母親が面会した直後シラズの脳波は反応を見せるが、さらに直後容体が急変しシラズは亡くなる。その様子を見ていたモルダーは「彼はボクに何かを言った」と語り出す。
モルダーはトリップ中に彼がアラビア語で語った単語を伝えると、ミラーはそれを訳し「バビロンホテル」と言っていたことが判明する。
FBIのチームは実在するバビロンホテルを急襲すると、そこでは実際にテロ集団が次のテロを準備しているところだった。一行の活躍によって事前にテロを防ぐことができた。
アインシュタインはシラズに目をつけたミラーを褒め、ミラーはモルダーと協力したアインシュタインを褒める。アインシュタインはモルダーの案が上手くいったことを未だに不思議がるが、ミラーは「きっと世の中には説明できないこともあるんだ」と諭す。
「経験できるもっとも美しい物は不思議である。それは全てのアートと科学の源だ」と故・アインシュタイン博士の引用を語る。(ちなみにお話の冒頭でアインシュタインは博士の血縁である設定が語られている)
モルダーとスカリーも何故上手くいったのか不思議がっていた。
モルダーは間違いなくトリップ中にシラズを見た、と語り、スカリーも「終わることなく続く憎しみ」を見た、と人種観、宗教観の違いから生まれる闇を語る。
モルダーは今回のことで「神」について考えだした、と語りスカリーは彼が「神を信じるなんて」と驚いてみせる。
「バビロン」にかこつけ、神の怒りを買って人間の言語が様々に枝分かれした、ことを挙げるモルダー、最終的には再び共通言語を見つけなければ平和は訪れないのかもしれない、とスカリーは独自の解釈を語る。それを聴いて納得したようなモルダー。
すると彼の耳にどこからともなく鐘の音が聴こえる、どうやらスカリーには聞こえていないようだが。。。