汗だくになってもニオわない Y Athletics の SilverAir を3年間使ってみた感想

SilverAir

うだるような暑さの連日いかがお過ごしでしょうか。
ほんとこの季節は何歳になっても苦手です。どんなに工夫を凝らしても、どんなに薄着になっても、むしろ裸になっても暑いんですから。ほんと困りモノです。
大量の汗をかくと汗ジミとか汗のニオイとか気になってしまうもので世にはいろいろな汗対策グッズが氾濫しています。そのなかでも僕が高評価しているのが「 SilverAir 」という海外製の防臭シャツです。
使い始めてから早3年ほど過ぎたので、いまさらながら主観での使い心地をレビューしてみようと思います。

ちなみにこの商品、現在のところ海外からの個人輸入でしか購入できないシロモノなので、ステマやアフィリエイト目的の記事ではないことをここに明記しておきます←

SilverAir

そもそも SilverAir ってなに?

アメリカはカルフォルニアに所在する「Y Athletics」というブランドが立ち上げた商品で、「銀を生地に編み込んで作るシャツ」をコンセプトにY Athleticsがゼロから独自にスタートしたブランドです。

もともとスポーツウェアとしての開発が行われ、汗を多くかくシーンでの殺菌防臭という点に焦点をあて、生地の中に銀繊維を用いることでバクテリアを破壊し臭いを防ぐことを利用した画期的なウェアです。
汗は汗腺から分泌される際に多くのタンパク質を含んでおり、これを体表に存在しているバクテリアが分解することでニオイが発生します。
SilverAirは汗の水分が空気中に放出される際に生地内の銀が酸化することを利用して、その際に発生する銀イオンでバクテリアを破壊し、ニオイの元を断つ、という発想から製作されています。また通気性がよいので多少の冷却性もあり、乾きも早く使用済みのシャツもニオイません。

SilverAir

イタリアの高品質な繊維を元に、本国アメリカで製造、ヨルダンで仕上げが行われるという、製造工程も国を股に掛けた一大プロジェクトです。
もともとはプロジェクトの出資者を募るサイト「kickstarter」でSilverAirシャツの製造プロジェクトに対し一般から出資者を募っていたのですが、予想に反して大幅に出資が集まり見事製品化に至りました。

ちなみにボクもときおりこのkickstarterを利用しており、このプロジェクトに出資しました。当時の出資額は70ドル前後でプロジェクト成立の場合はシャツ2枚がもらえる、という条件でした。(日本からの場合別途送料2000円ぐらいがかかりましたが)。現在製品化されたシャツは1枚54ドルほどするので若干オトクでした。

kickstarterの特徴というか、性質としてプロジェクト成立後の運びは立案者次第というなんともリスキーなスタイルなのですが(じっさい成立後金だけとられてトンズラする立案者もいたようです)、このSilverAirも出資後から実際に商品化、商品が手元に届くまでだいぶ時間がかかったように記憶しています。たしか年単位です。
それでも忘れた頃に商品についての通達がメールで届きました。その時にはボクもすっかり忘れてたんですが、出資時から引っ越ししていたため商品が届かずわざわざ未配の旨、連絡してきてくれていました。Y Athletics親切。

使い心地を列挙

端的にいってSilverAirはなかなかの優れモノアイテムだと感じます。人並みに身だしなみには気を使う方なので、夏場のみならず防臭対策はしているんですが(アラサーになって尚更気を使ってます)、汗によるニオイはしっかりと抑えられているように感じます。

ニオイぐあい

前述したようにしっかり防臭効果あります。ただまったくの無臭ということではありません。
着用し、汗をかいている時点ではやはり自身の体臭はうっすら感じます。あくまで「衣類が汗を吸収した際のイヤなニオイ」がしない、といったところでしょうか。
汗をすったSilverAirを脱いでニオイを嗅いでも、さしてイヤなニオイがしないことからもその効果は確か、と言えそうです。

後述しますが、それでも経年劣化によって防臭効果も若干落ちることは感じました。まあ恒久的に使い続けられるモノなんてそうそうないでしょうけど。
新品状態での防臭効果は間違いありません。

着心地

肌触りについてですが、生地は割りと厚手でしっかりしています。
ボクはインナーとしても使用していますが、いわゆるインナーや国産のクールウェア商品に比べると厚手です。スポーツウェアとして開発されていた、ということもあって一枚着できるよう設計されているためかもしれません。(一枚着していても、色味もあいまってチクビがうくようなこともないです)

柔らかい、という印象はないですし人によっては慣れるまでちょっとゴワゴワ感じるぐらいの質感はあるかもしれません。銀繊維が織り込んである故でしょうか。
慣れてしまえばなんてことないのですが、襟シャツの下にインナーとして着るにはちょっとごわつきを感じるかもしれません。

と、初期ロットでは上記のような感想をもったのですが、のちのちにSilverAirの需要が高まったことも有り増産されデザインやカラーのバリエーションが増えた時期があります。このころに発売された後期ロットでは初期ロット製品よりもやわらかな質感気もち薄手のバージョンも発売されています。
これは型違いという扱いではないようで、どうやらカラーバーリエーションによって若干この素材感が変わっている模様。(公式へ確認はしていません)
現在公式ストアで販売されているモノでいうならば「SURF BLUE」や「WHITE」「BLACK」などが後期ロットのバージョンにあたります。

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デザイン性

よくもわるくもスポーツウェア感は見て取れると思います。
インナーとして着る分にはとくに問題無いでしょう。一枚着する際にTシャツとしてそのまま着てもボク自身は違和感有りませんでした。繊維独特のストライプ上の編みこみ目がありますが、ガラとしても控えめな霜降り柄で統一されていたりと、オシャレにデザインされています。縫い目がわかりやすく目立つデザインになっているのは、敢えてのデザイン性なのでしょう。

脇下に通気性を高めるためのホールエリアがあること、裾にY Athleticsのロゴがあることぐらいかな、気になる点は。
それと、実際着てみると裾が若干長めに感じるかもしれません。(この点が気になるかは個人差あるとは思いますが)

あとサイズ感。
やはりアメリカブランドなので日本人が着るにはサイズ感がワンサイズ大き目です。最小サイズSでも大きめMぐらいの感じがあります。
公式ストアでは小さめサイズもけっこう人気で品薄になっており、カラーによっては売り切れになってしまっています。そのため購入時にあまり選択肢がない、というのが現状。出資を募るスタイルで展開していることから考えると売り切れカラーの補充は望めないのでしょうか。。?

吸汗性、速乾性

吸汗性、速乾性にすぐれています。
洗濯してもすぐ乾くためその点の利便性も高いです。

汗もよく吸い乾かしてくれます。ただこれもスポーツウェア的機能性なのか汗をすって表面に汗ジミがういてきやすいです。
目立ち方はカラーにもよりますが、夏場に一枚着できていると胸の中央や首周りなどの汗ジミがわりとすぐ浮いていることに気付きます。スポーツ時の着用なら気にしないでしょうがお出かけ時などにはやはりインナー的に利用するか、色を選んだほうがよいかな、という印象。

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さすがに3年間使うとヘタる

初回ロットが届いてからこの夏で約3年たちます。
一般的にいって、インナーシャツやTシャツの寿命がどのくらいなのかよくわかんないんですが、たいてい3年間も使えばさすがに生地がヘタってしまうことも多いと思います。首周りがだるだるになったり毛玉ができたり…。
(ボクは各シーズンごとに服を買い換えるほど衣類の出入りが激しくないので、フツーに次年度のシーズンでも去年の服着たりしちゃいます)

SilverAirもご多分に漏れず、生地の経年劣化は避けられないようです。
「銀繊維を織り込んでいる」といっても、別段生地として特殊な様相はなく、何度も洗ってればなんとなく伸びた感じもするし、なにかにひっかけてしまえばその部分はほつれます。フツーの生地と同じです。3年間も汗を吸って洗ってを繰り返していれば生地の繊維もある程度変質してきているのでしょう。

古着Tシャツなんかだと汗を吸うとなんか独特の臭さを発生するモノがあったりしますが、似たようなな感じで購入当初には感じなかった吸汗後のニオイの変化があります。
主観的でわかりづらいかもしれないんですが若干薬品的というか汗臭とはちがった若干のイヤなニオイを発するようになりました。銀繊維でない生地部分の変質によるものでしょうか。それでも所謂、汗を吸った衣類の臭さはなく、周りにいる人間に聞いても気にならないレベルな模様(実証済み)。
まあ汗だくになっている状態だと単純に体臭のほうが気になるようです。

生地のヘタリ感が実際どれくらいかというと↓

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裾や首周りのよれ具合はちょっと目立つカンジ。色がなんか汚く見えますがこれはボクの撮影技術と光具合が悪いせいで、実際の色みはそんなに汚れていません。このWHITEカラーは前述した後期ロットで発売された薄手のタイプで、このタイプは毛玉感が目立ちます。

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こちらのグリーンは初期ロットタイプのモノ。前項のタイプより生地感がしっかりしていてよれも少ないです。毛玉はほとんどできていません。

ニオイの変質ぐあいはどちらのタイプもさほど変わらないように思いますが生地のヘタリ具合からいうと厚手の初期ロットのほうがモチが良さそうです。ただ厚手な分インナーとしての使用には多少扱いづらさもあります、薄手の後期ロットは生地自体もやわらかいので扱いやすく着回しやすいです。

まあ3年も使い回すなよ、といわれればその通りなんですが何分個人輸入購入のみで国産品よりも高額になるため安易に買い換えできないですしね…。国産品買えばいいじゃん?て感じもしますが、敢えてコレを使い続けるだけのメリット(防臭性)はある、と断言いたします。防臭力はホンモノ