第1話「死者からの手紙」あらすじ
原題は “Ogygia”
フォックスリバー刑務所では収監されていたはずのティーバッグが出所の時を迎える。
何者かの手筈で出所するに至ったらしいディーバッグは、彼宛ての差出人不明の封筒を受取り刑務所を後にする。
封筒の中には書類らしきものが入っていた、それを見たティーバッグは驚愕する。
同じ頃、シカゴ。
マイケルの兄・リンカーンは借金のカタにチンピラに追われる身となっていた。
追手を巻いたリンカーンが自宅に戻ってくると、玄関の前にティーバッグが待ち構えていた。
彼が出所したことにも驚くリンカーンだが、ティーバッグが手渡した封筒の中身に更に驚愕することとなる。
封筒の中には、死んだはずのマイケルが今も生きていいるらしいことが伺える写真が収められていた。
マイケルが生きているということが信じられないリンカーン。
書類には写真に添えて、あるメッセージが残されていた。「その手で子孫の誇りを知る。今後永久に正しい世界となるだろう。」と。
無論、リンカーンにもティーバッグにとっても意味不明。
リンカーンはティーバッグを追い返すが、去り際に「俺達はきれねえ運命だ」と言い残し去っていく。
困惑し憤るリンカーン。
リンカーンは車を借りてある場所へ向かう。
追われる身が板についてしまった彼は、バックミラーに映る車全てが自分を追っているように感じ、気が気ではない。
やってきたのはマイケルの妻・サラの家だった。
マイケルの死後、サラは別の男性・ジェイコブと再婚を果たしていた。
その挙式の際にもリンカーンは姿を表さかったため、サラは久々のリンカーンとの再会に驚く。
ティーバッグから渡された書類を見せるが、サラは「悪質ないたずら」と苦笑い。
甥のマイク(マイケルの息子)も久々にリンカーンと会えたことを喜ぶ。
リンカーンやマイケルの逸話を英雄として信奉しているらしい。
サラは「マイケルは死んだ」「画像は加工」「きっとティーバッグの嫌がらせ」だと片付けようとする。
リンカーンはマイケルの墓標の前で弟への思いと、落ちぶれた今の自分の情けなさを嘆く。
例の書類を手にしていたリンカーンだが、写真に添えられた例の「メッセージ」の部分の手触りがおかしなことに感づく。
メッセージに沿って消しゴムを欠けると、特定の言葉の文字だけが消えて、新たなメッセージが浮かび上がる。
そこに浮かんだ文字は…「オギュギア」。
「オギュギア」についてネットで調べるリンカーン。
それはどうやらイエメンのサヌアにある「オギュギア刑務所」のことらしかった。
マイケルがそこに収監されているのかもしれない、と察したリンカーン。
真相を確かめるためには、まずマイケルの死を確認しなければ、とマイケルの墓を掘り起こすことに。
棺を掘り起こしたリンカーンがおそるおそるフタを開けると…そこにマイケルの遺体はなかった。。。
その頃、モーテルに寝泊まりしていたティーバッグは、PCをチェックしていた。
すると予定表に、自身で入れた覚えのない予定「義手研究者と面会」というスケジュールが入っていることに気づく。
予定に従って義手研究をしているウィットコム博士の元を訪れたティーバッグ。
ティーバッグは刑務所に封筒を送ったのが彼かと勘ぐるが、どうやらそうではないらしい。
ウィットコムがティーバッグを呼んだのは、「最先端の義手の移植手術」を打診するため。本物の手と遜色なく扱える最新の義手。
ウィットコムは何者かから多額の資金提供を受けてその技術を完成させていたが、資金提供の条件が「初めにティーバッグに移植すること」だったのだという。
ティーバッグは怪しむが、新しい義手が手に入ることには代えられず提案を承諾する。
翌朝、マイケルが埋葬されていなかったことをしったリンカーンは憔悴しながらも帰路につく。
信号まちで停車すると、となりに泊まった車に一瞬気を取られるリンカーン。その車にのった男は、ハイテク機器を作動させ、隣に停まったリンカーンの車の制御を奪う。自動運転でリンカーンの車を暴走させる。
ブレーキもハンドルも効かないままリンカーンは道路脇の湖に転落する。
フロントガラスを突き破り着水したものの何とか無事だったリンカーン。
しかし件の車が追ってくるのを認め、とっさに木陰に隠れる。事故を聞きつけ周辺の人々が集まってくると、件の男はそそくさと現場を後にした。
リンカーンはサラに電話し、「マイケルの遺体がなかった」ことと「自分も何者かに追われて殺されかけた」ことを伝える。
すると同じ頃サラの家の前には銃を持った女性が来るまで乗り付ける。嫌な予感を察知したサラは隠してあった銃をジェイコブに取らせ、警察に連絡。マイクを連れに2階へとあがる。
銃を持った女性は家に侵入、ジェイコブの足を打ち抜き銃をとりあげてしまう。
バスルームに隠れたサラとマイク、女性が扉の向こうまで迫るが、警察がサイレンを鳴らして近づいてくると女性はサラ達を頬って置いたまま退散していく。
ジェイコブは病院に運ばれ重体。リンカーンもかけつける。
マイクはサラの動揺具合と、リンカーンが現れた途端に妙なことが起きたことから、「本当の父親(マイケル)に関わること」だと察していた。
サラはマイケルが生きているとは信じられないが、「マイケルが生きているからこそ何かが起きている」と諭すリンカーン。
リンカーンは「オギュギア」を手がかりにイエメンに向かうことを告げる。
そのころのNY。
マイケルたちとともに脱獄したメンバーのひとり、シーノートは一連の事件の後、イスラム教に入信していた。
モスクで礼拝を終えた彼のもとに、リンカーンがやってくる。
過激な行動ではなく、精神的な闘いで平和を願うようになった、と入信の理由を語るシーノート。
中東情勢に多少詳しくなっていたシーノートを頼りに、リンカーンはイエメン行きに協力してほしい旨を伝える。
シーノートとモスクの関係者によれば、送られてきたマイケルの写真は本物(窓の外にモスクが映っており位置関係が正確)。
さらに「オギュギア」は政治犯の収容施設だという。
シーノートは刑務所に連絡し確認するが「マイケル・スコフィールド」という人物は収監されていないという。
「マイケルの写真をネットで検索して刑務所に送り確認させろ」と指示するリンカーン。
しかし、ネットでいくら検索してもマイケルの写真は出てこず、別の人物の写真が「マイケル・スコフィールド」として表示されるよう偽装されていた。
明らかに何かが起きている、と再確認したリンカーン。
リンカーンはイエメン行きを強行しようとするが、シーノートは「混乱を極めているイエメンにアメリカ人が行くのは危険だ」と諭す。
さらに主導権を握りたがるマイケルの本質を挙げ「その偽装すらマイケル自身がしているのかもしれない」と揶揄する。
リンカーンはシーノートを睨みつけると、モスクを去っていった。
ティーバッグはウィットコムの元にやってきて、義手の移植手術を受ける。
全身麻酔をうけ手術を終える。麻酔から目を覚ますとティーバッツの左手には医師のままに動くロボットアームくっついていた。
義手を我がものとしたティーバッグは態度を豹変させ、ウィルコットに襲いかかる。
移植の対象になった理由を訝しんでいたティーバッグは彼を恫喝、資金提供した人物は匿名だったがそのアカウント名が「オウティス」(名も無き者 の意)だったことを明かす。
ホテルに宿をとったリンカーン、イエメン行きの支度をする彼の背後に男が忍び寄る。
気配に気づいたリンカーンは振り向きざまに殴り掛かるが…そこにいたのは旧友・スクレだった。
スクレは殴られたことをなじりながらも、シーノートに話を聴かされ、自身もイエメンについていこうとする。
空港までやってきたリンカーンとスクレ。
リンカーンは彼の申し出を拒もうとするが、貿易貨物の仕事に着いていたスクレは何かと役に立つ、と説得。
さらに「肌の色が違うことは有利だ」と說明する。そこにシーノートも現れ、自身がモスク等との仲介を担うと申し出る。
出航の時間が迫りリンカーンはシーノートだけを連れて行くことを告げ、スクレは残していくことに。
その様子を影から監視していたのは、リンカーンを殺そうとした男とサラの家に侵入した女。
ふたりは組んでいるらしく、リンカーンとシーノートを跡形もなく殺してしまおうと考えていた。。。
イエメンについたリンカーンとシーノート。
内紛が激しく、空港は出国したい人達で溢れかえっていた。
シーノートは「アメリカ人兵士の探索を援助している」らしい人物・シバに協力を請う。
空港でシバの使いだという人物に案内され連れられるふたり。しかし本物の「シバの使い」は彼らが去った後に空港にやってきていた。。。
偽物の使いに案内され車にのったふたり、シーノートは治安の悪い地域に向かっていることに気づく。
しかし時既に遅し、ふたりは車工場らしきところに連れ込まれ、武器を持った現地人に囲まれてしまう。
襲い掛かってきた暴徒たちを一蹴するリンカーンとシーノート。
倒した彼らが持っていた携帯には、空港で撮られたらしいふたりの写真が送りつけられていた。何者かがふたりを殺すために現地人を雇ったのだ。
そこへシバ本人が現れる。彼女の使いが、空港でニセの使いに連れられるふたりを目撃し、後をつけたらしかった。
シバはふたりを保護すると、車でその場を走り去る。
シバの隠れ家にやってきたリンカーンたち。
リンカーンは血に汚れた体を洗い流す。マイケルの墓を掘り起こした際に残されていたマイケル衣類を持ってきたリンカーンだったが、そのネームタグに「カニエル・オーティス」という名が刻まれていることに目を留める。
シバの協力者・オマールの話しによれば、マイケルの人相によく似たアメリカ人が刑務所に収監されているという。
オマールはマイケルとの面会を段取りする代償に、リンカーンのパスポートをよこせと要求する。
イエメンではアメリカ人のパスポートは重宝されていたのだ。シバは「理想的な条件ではないが、イエメンに理想はない」と諭す。
シーノートは出国できなくなることを恐れ止めるのだが、背に腹は代えられないリンカーンはオマールにパスポートを渡してしまう。
シバに連れられオギュギア刑務所にやってきたリンカーンとシーノート。
まるでシーズン3のソーナ刑務所のような、劣悪な環境に目を細めるふたり。アメリカ人の習慣帽にやってくるが「マイケルの名前はない」という。
オマールに騙された、と憤慨するリンカーンだが、シーノートは例の写真を看守見せると、「カニエル・オウティス」と名乗っている人物だ、と告げる。
マイケルの衣類で見覚えのあったその名前にリンカーンは、マイケルが偽名を名乗っているのだと直感する。
しかしシバはその話を聴くと憤慨して刑務所を出ていってしまう。
シーノート曰く「カニエル・オウティス」は過激派組織の殺人犯の名前らしい。シバはリンカーンたちが殺人犯と面会にやってきたのだと勘違いしたのだ。
リンカーンとシーノートの前には、生きて近づいてくるマイケルが姿をあらわす。
感激するリンカーン。シーノートは生存の証拠に携帯カメラをまわす。
マイケルの腕には以前はなかった新しいタトゥーが刻まれていた。
リンカーンが話しかけると、マイケルはクチをひらき「俺はマイケルじゃない、あんたをしらない」とひと言。
それだけを言い残すとマイケルは房にもどっていってしまった。何が何だか分からないリンカーンは涙ながらに追いすがるが、マイケルの姿は房の中へ消えていってしまった。。。