【映画レビュー】マダム・フローレンス! 夢見るふたり を観てきた

マダム・フローレンス! 夢見るふたり

さりげないコメディ要素がよく効いている

コメディアン出身ということもあってマクムーン役のサイモン・ヘルバーグのアジがすごく良く効いていた、と感じました。
ちょうど先日まで海外ドラマ「ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則」を見ていたので、彼の押しの弱い、でも笑える、というビミョーなニュアンスの演技と顔芸にも近い表情はマクムーンを演じる上で欠かせない要素だったと感じます。とくに苦笑いのセンスはピカイチ。笑

メリル・ストリープが音痴の歌声を演じるのもなかなかに滑稽で、かつわざとらしくないのはやはり名女優あってのことでしょう。

マダム・フローレンス! 夢見るふたり

さらに脇役ではありますが、フローレンスの支援者・スターク氏の妻・アグネスがとてもいいスパイスを担っていました。
彼女は、最初はフローレンスの公演を見てバカにし、笑い転げているのですが、カーネギー・ホールのシーンではフローレンスを嘲笑する兵士たちを怒鳴り一喝!いつからかフローレンスのファンになってしまったのか、彼女が一生懸命歌う姿を見る眼差しには熱いものを感じました。
作中での、彼女のこの態度の変化っぷりはフローレンスには「歌唱力」にない魅力があることを示唆しているようにも、感じられ興味深かったのです。

フローレンスがシンクレアの家を訪れたシーンでは、何故か間の悪いことに下着姿でフラフラと現れ、マクムーンが慌てて彼女を奥の部屋に押し込む、というやりとりがあり、なかなか笑えました。

あとがき

[rating]

名優二人が主演を務めているだけあって終盤の演技は涙をそそる…のですが、シンクレアが「二重生活をおくってまでフローレンスを支える」理由は最後までふれられず、「どっちも愛してる気の多い男」のように見えてしまう部分がちょっと消化不良。

仮にそうでないのなら、シンクレアがフローレンスを支える理由に触れて欲しかったな〜、というのが個人的には惜しくも思うところ。なんでそこまでして彼女を…?っていう部分の釈明がないままに本編が終わってしまい、感動しきれない部分が残ってしまったのは残念でした。
単純な男女の恋愛観とは違った関係性がそこにはあったのだろうけど、それが本編を読むだけだとなかなか汲み取るのが難しかった。

ただ、実在の人物たちをモデルに作られている映画なので、この二人の関係性というのも史実に残されていない部分なのかもしれず、そう考えるとヘタに創作を加えずにこの仕上がりにしたのかも?と考えると納得もできるかな…と本編を見た後、思ったりもしました。

サイモン・ヘルバーグやアグネス役の[actor][name]ニナ・アリアンダ[nname]([altname]Nina Arianda[aaltname])[sameus urls=”http://www.imdb.com/name/nm3616206/”][image urls=”https://motetai.club/wdps/wp-content/uploads/2016/12/7276b9e28fadc2acd3691f65176d831b.png”][aactor]のキャラクターも非常に良く、なによりメリル・ストリープのコミカルな演技も劇場での笑いを充分に誘っていたので、感動作に振り切るのが難しかったのならいっそのことコメディ路線に振り切ってもよかったのでは、という個人的な邪推も付け加えておきます。。。

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