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ハンターハンター357話の “共闘説” を考察する【06/14追記あり】

ハンターハンター 357話

ハンター357話を読んでレビュー記事を書いてみたのですが、その後おもしろい考察記事を発見したのでそこから再考察。シャルナーク、コルトピ、マチがクロロと 共闘 していた?という説です。
参考:ハンターハンターのヒソカvsクロロ、ファンの考察により面白い説が立てられる

クロロと団員が共闘していた?

こちらの記事の考察では対ヒソカ戦でクロロが団員(マチ、シャルナーク、コルトピ)と共闘していたのでは?という考察が披露されています。根拠として上げられているのは次の点。

  1. いつの間にか消えていたシャルナークのアンテナ
    →マチが念糸により操作
  2. 予想外に多いコピー人形
    →コルトピに能力を返却後、コルトピが念人形を量産していた
  3. 電話によるコピー人形操作
    →シャルナークがクロロの指示を受けてブラックボイスで操作していた (手入力で携帯操作しているのはシャルナーク)
  4. 何故、クロロはヒソカに止めを刺さなかったのか
    →天使の自動筆記(ラブリーゴーストライター)により死の予言が出ていたから。 死後は予言されない為、死後の念による復活は団長の想定外
  5. マチ「今度からは戦う相手と場所はちゃんと選ぶことだね」
    →ヒソカ、共闘を確信。手段を選ばないことに決めた。

たしかに「おおっ…!」と思わせられる説得力。
前提として、シャルとコルの能力は試合開始あたりまでは実際にクロロが盗んでおり、試合中にクロロが二人に能力を返還した、ってことですね。つまり自発的に能力を返すことができる前提

よし、あげあしとっていこう!笑

矛盾点①:シャルの電話

この記事ページのコメントでも散々指摘されてますがシャルナークの携帯はクロロが持ってるのでは?

試合後の電話のシーンでクロロがシャルに携帯を返す旨を話しています。
「ケータイどうする?アンテナないけど」というセリフからアンテナとセットの携帯=ブラックボイス用の携帯であることは間違いないはず。連絡用に他に持っていた携帯ではないでしょう。

それに対して「大丈夫 とくに使う予定ないし」というシャル。
マチが糸でアンテナを回収していたとしても「大丈夫 まだアンテナあるから」じゃなくて、使う予定なしって返しじゃなんか不自然じゃね?

コルトピが携帯をコピーしてた?
途中で能力が戻ってきたなら、既にクロロが手にしている実物の携帯にふれてコピーを作る必要がある。2回目の潜伏時に?
そもそもコピーした携帯を媒介に念能力つかえるの?念はコピーできなくてもコピーしたものに念をかけられるってこと?ん〜?

▼シャルの携帯はオリジナルのためこの線はないと判断しました(詳しくは後述)
携帯自体は実際の携帯、ってことは市販品てことだろう。

てことはクロロが同じ形の携帯を買って用意することも可能。アンテナのみがシャルの私物で、クロロが刺す、シャルが操作する。で、クロロの手にある携帯はたんなるブラフ?
でもこれだと試合後の「ケータイどうする?」の会話が必要ない矛盾(クロロが持ってるのはブラフじゃなく本物ってことになるから)。

あとこれ。
クロロがシャルに通話で命令を出して、操作の携帯をいじっているのはシャルの腕では?と考察されている。けど、この腕手首のあたりに腕より太い何かが描かれている。フツーに考えるならこれは服の袖だろう。けどシャルの衣装はノースリーブ、腕にアクセサリーの類もつけていない。体の他の部位が写っているようにはちょっと見えない。

さらに作中通してシャルは右利きである。
使い慣れた愛用品でないとあまり効果が得られない、という操作系がわざわざ利き腕じゃないほうで操作する意味は?…思いつかない。そしてクロロはスキルハンターの制約もあって、試合中通して左手で携帯を持っている…。
クロロでしょこれ

通話の相手はシャルじゃない。
アンテナへの指示がボタン操作オンリーだとするならば、この描写は操作でなく単純に通話のダイヤルをしているシーンで、爆弾人形に携帯を持たせて通話、タイミングよく通話で命令を出していたのではないだろうか?(電話に出て随時命令に従え、とかなら無理なさそうだし)
試合後の「アンテナないけど」から察するにこの時点ではもうすでにアンテナなくてブラックボイスは不可能だったのでは?

訂正追記:16/06/14

試合中にヒソカがアンテナを握りつぶしたシーン。このシーンのアンテナがシャルのアンテナの形でなく、イルミの針のような別形状のものだった、とのご指摘を受けた。確認したら確かにそのとおり。

旅団だけでなくイルミの共闘もあるか?う〜ん。。
イルミは仕事として受ければヒソカも躊躇なく殺しそうだが、結果的にこのシーンの偽クロロを動かすためだけにイルミを雇ったとも正直考えづらい。

アンテナに別の種類がある、ということはないのか?

原作中でシャルの携帯は「オリジナル」と表現されていた。
シャルが自作したか特注品か、どちらにせよ同じタイプの携帯は市販されていない。「付属のアンテナ」ともかかれているのでアンテナもコレ用に作られたモノだろう。情報操作に長け、機械操作も得意なのであれば自作の線も濃厚のように思う。

 

作中でアンテナの形状がハッキリ見えるのはシャルvsベル戦とこのクロロvsヒソカ戦のみ。
どちらも似てはいるが形状がビミョーに異なる(羽根の形や位置など)

  

アンテナのデザインが複数あるのだとしたら、この問題も解決されるのでは…?

アンテナは相手に刺すという性質上、必ずしも回収できるとは限らないだろうから複数ストックがあってもおかしくない。「使い慣れたモノ」である必要もあるが、自作品であれば愛着という意味では充分な気もする。回収して何度も使っているアンテナは制度が高く、初出しのアンテナは制度が低い、とかでもいいだろう。
さらに不足補充として追加されるアンテナのデザインを変え、回収したアンテナと混在して所持していても不思議はない。

ベル戦にてシャルは「いつもアンテナを2つ持つ」と言っているが、「2つしか使えない」わけではないのでは?クロロがアンテナを2つ持ち、ヒソカが2人同時操作について言及したが、それ以上の人数を操ることもできるのではないか?
だとすれば尚更アンテナの数、デザインにバリエーションがあっても不思議じゃない気がしてくる。
クロロのもっていたアンテナも2本じゃなく3本だったのではないか?

そうなると試合後の「使う予定ないし」の会話が逆に不自然だ。ほんとにストックが3本しかなくてシャルの手持ちはゼロだった可能性もあるが…。

…ん〜、ちょっとこじつけ臭い考察になってしまった気もする。
よぐわがんねぇ…。

矛盾点②:ラブリーゴーストライター関係ねえ

ボクは「除念後にスキルハンターはリセットされた」派なのでそもそもラブリーゴーストライターは使えないんじゃないかなあ、とおもっているんです。
それについてはこちらの記事に少し書きました▼

ハンターハンター351話を読んでみた【ネタバレあり】

もちろん確定する要素がでてきてないので、推測の域はでません。

で、もしラブリ〜を使っていたなら、クロロ本人の未来は占えませんよね、そういう設定でしたから。
ヒソカを占った?ありえないですよね、単純に誕生日等を知っているだけでなく相手に紙に書かせる必要があるのですからヒソカの協力なしには占いはありえません。戦い前に「ヒソカちょっと占いしてみない?」はもっとありえない。
(ネオンの元に毎月占い希望者からの紙が届いていたことからも占いの都度、直筆の紙が必要だと推測します)

じゃあ旅団員(シャルコルマチ)の未来を占ったのか?だとするなら、ヒソカの死を予言できてシャルコルの死を予言できないのが不自然すぎる。
ヒソカは一旦死んでるからその後の事は占いに出ない?それじゃあシャルコルにとってあまりに不利に働いているので能力の根底がブレてしまうような気がします。

「死」という最悪の事態が予言されない、って変でしょ。
なにより「一度死んで復活」ということを占えない、ってのも変でしょ。
じゃあ生き返ってしまったヒソカは、今後ラブリーゴーストライターで占ってもずっと白紙になるのでしょうか?ちがうでしょ。

なのでラブリゴーストライター説はナイな、と思いました。
クロロは爆破で仕留めたとおもっていたでしょうし、マチも復活するまでそう思っていたでしょ。
すでに止めをさした、と思っていたはずです。

矛盾点③:アンテナをマチが回収?

これは唯一そうかも…?って思えた部分。

この時点でヒソカに気付かれず人形やブラックボイスでアンテナを回収するのは難しそうだし。けど、これヒソカが言うようにクロロが釣り糸仕込んでてもじゅうぶん可能なわけで、他の考察が成り立たったときの補助要素にしかならないんですよね。

矛盾点④:コルトピが人形複製

コルトピの協力なしに大量のコピーを作るのは不可能か?

まず1回目の潜伏後。
(潜伏している数はもっと多いとヒソカは予測したが)ヒソカの目視で30体ほど。ヒソカの感覚では+50体で計80体ぐらいなら、1回目の潜伏で作れた、と予測。

2回目の潜伏では、途中で偽クロロを操る時を除いてその前後の時間で200体(もしくはもいちょい多いぐらい)を作っていた。

1〜2秒に1体のペースで増えていく、というヒソカの予想が正しければ2回目潜伏時に50体ストックしており、偽クロロの前後で2分半〜5分ほどあれば数は用意できる計算になる。
漫画という性質上、時間の経過を正確に読み取るのは難しいがハッキリ言って「それぐらいの時間はあった」とも「そんな時間なかった」とも言えると思う。

マチのアンテナ回収よりは、補完性が高い説だけどこれも決定打にかける説だと思う。
「バンジーガムで蘇生可能!」っていう無理が通る世界なら「この時間内に200体複製は余裕」も全然無理がないと思う。

「ヒソカの予測はことごとく外れてる!」と言われればその通り。
「だからこれもあてにならない」と言われればそれもその通り。
反論も決定打にかける。結局決定打にかける。

共闘 説に反論してみて

この記事、深夜に書いてるんですけど夜中に反論考察かんがえてる自分すげー大人げないな、って思った。苦笑
まあそれだけハンターハンターにアツくなってるってことなんですが…。

 

で、考察についてですが
1〜4が成り立たないと5のマチのセリフを深読みする意味がないので、う〜ん…て感じ。
試合終了直後に会場にいたのだから間違いなく旅団3人は観覧はしていただろうけど 共闘 までしていたか、っていわれると弱いきがしました。

共闘していたというよりは、ここで上げられた要素すべてが「そう思わせるため」の表現に思えるんです。
アンテナが消えたところで「釣り糸」という言葉を使いマチを連想させ、1人で量産するにはキツそうなほどの人形コピーを登場させ、絵だけではクロロと断定できないシャル携帯をにぎる手、など。
そして直後にシャルコルマチを登場させる…。

感がいいファンには否が応でも、3人が共闘してたかのような印象をウケる作り方をワザとしてるんじゃないか、って。(まあボクはこの考察読むまで思いつきもしなかったんですけどね…)

上記に加えて、少ない確定要素と、「クロロが嘘もつく」「卑怯な手も使う」という可能性をにおわせ、それを「あーでもないこーでもない」とファンたちが考察を繰り返し、「共闘説」という結論にたどりつく…。

この一連の流れをあらかじめ予見していたのではないか?
なんのために?
もちろん、ただ楽しむために。
一体誰が?
ハンター富樫がね。

なんなら「共闘説」投下したのも富樫じゃねーの?とすら思います。
ひっかき回すためにね。

 

反論考察書いたはいいけど、実はあっさりこの説が肯定されそうな気もしています。
先週のネタバレをずっと嘘バレだと信じていたので、それがハズレて先見の自信を喪失しているんですボク。。苦笑